ケンゾウの自習室

~日々の学びの記録~

モラルライセンシングを理解して幸福度の高い努力をしよう

モラルライセンシングとは

モラルライセンシングとは、簡単に言ってしまえば「良いことをすると悪いことをしたくなる」心理のことです。

 

ここでいう「良いこと」とは、世の中で一般的に「良い」とされるような、道徳的に善であることです。

 

お年寄りに席を譲る、落ちている財布を交番に届けるといった行動もそうですが、

 

「勉強する」「ダイエットする」「筋トレする」「読書する」

 

といった行動も一般的に「良いこと」とされていますから、モラルライセンシングの条件に当てはまります。

 

一方で「悪いこと」とは、仕事をさぼったり勉強せず漫画を読んだり、ダイエットしているのにケーキやラーメンを食べてしまう、といった対称的な行動です。 

 

 

例えば、ダイエットをしているときに

「今日は糖質制限を頑張ったから、少しだけケーキを食べよう」

と思ったり、

 

勉強しているときに

「3時間勉強したから、漫画を読もう(映画を観よう)」

 

と思ったりと、何かを頑張った後、客観的にみれば頑張ったことが台無しになるようなご褒美を用意してしまったことはないでしょうか?

 

それがモラルライセンシングです。

 

モラルライセンシングの恐ろしいところは、いいことを「しようと思った」だけでも働いてしまう点です。

 

例えば、仕事で誰かを手伝おうと思った「だけ」で、少しくらいさぼってもいいかという心理が働いてしまうのだそうです。

モラルライセンシングのメカニズム

モラルライセンシングの原因には様々な理由がありますが、①心理学的理由と②生理的理由  の2つに大まかに分類できます。

①心理学的理由

モラルライセンシングの原因となる心理学的理由の代表例が現状維持バイアスです。

 

最近では一流のビジネスパーソンやインフルエンサーを中心に、「生き残るには変化することだっ!」みたいな言動をよく見かけますが、基本的に人間は現状維持を求める生き物です。

 

勉強や筋トレ、ダイエットなどを「しなくてはいけない」という気持ちは理性的な思考や価値観によるものですが、本能的な部分では「このままでいいじゃん」という気持ちが人間にはあります。

 

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これが現状維持バイアスで、これを抑え込むほどの「変わりたい!」というモチベーションがないと、モラルライセンシングの原因になるのです。

 

 

また、人間にはルールや社会に縛られたくないという心理があります。

 

残念ながら僕たちの社会で道徳的に「良いこと」とされているものの多くは、僕たちの本能と矛盾します。

 

そもそも、「悪いこと」というのは人間が勝手に決めた区切りであって、ケーキを食べたり漫画を読んだりとうのも本来自分が求める「快」なのですから。

 

そのため、本能に反して理性によって行っていることには反発心が生まれ、「悪いこと」をしたくなるのです。

②生理的理由

人間の理性や知性を司るのは大脳新皮質です。

 

モラルライセンシングにおける「良いこと」とは理性に基づくものですから、「良いこと」をしていると大脳新皮質が活性化します。

 

しかし、大脳新皮質は常に活動し続けるということはできず、時には休憩が必要になります。

この時、人間の理性はどうしても弱くなってしまうのです。

 

理性が弱まれば当然、本能に忠実な「悪いこと」をしたくなるということです。

 

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モラルライセンシングを防ぐには?

モラルライセンシングが起こるのは仕方がない部分もありそうです。

 

しかし、だからといって何も工夫をしなければ、モラルライセンシングのせいでせっかくの努力が無駄になってしまいます。

 

どうすればモラルライセンシングを防いで人生を豊かにできるのか、少し考えてみました。

目標を再確認する

これは理性によって抑えようとする方法です。

 

ケーキを食べたくなった時、怠けて漫画を読みたくなった時、

 

「なんでダイエットしようと思ったんだっけ?」

「何のために勉強してるんだっけ?」

 

と考えるのです。

 

恐らく、「美しくなりたい!」とか、「志望校や資格試験に合格したい!」という気持ちが最初にあったはずです。

 

今ダイエットや勉強を頑張ることはつらいかもしれませんが、将来の成功した自分を想像することでモチベーションが上がるのではないでしょう?

 

誘惑に負けそうになるたびに、そうした最初の目標を思い出すことで誘惑を払いのけましょう。

 

 

と口で言うのは簡単ですが、それが難しいからモラルライセンシングが起きるんですよね。

 

そこで僕が提案したいのが、モラルライセンシングを防ぐために苦しむよりも、モラルライセンシングの害を可能な限り減らして目標を達成することです。

 

言ってみれば、理性と本能を両立させるということです。

「ご褒美」を定量的に用意する

モラルライセンシングで一番恐ろしい事態とは、せっかくの努力が無駄になってしまうことです。

どれだけ食事制限をしようと、ご褒美のケーキを食べすぎればダイエットは成功しません。

「ご褒美」はストレスの大きさに応じて増えてしまうものですから、食事制限がきついほど食べたくなるケーキの量も増えるはずです。

そしてその分だけ太るということまで起こり得るのが、モラルライセンシングの恐ろしいところです。

 

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しかし、具体的な数値に基づいて定量的にご褒美を用意すればどうでしょうか?

例えば、その日に摂取していいと決めたカロリーに対して実際に摂取したカロリーが400kcal少なかったとしたら、その400kcal分のケーキは食べても太ることはありません。

逆に言えば、どうしてもケーキを食べたければその分のカロリーを最初から計算に入れて食事制限をすればいいのです。

ダイエットとは、


(消費カロリー)-(摂取カロリー)>0

 

の状態を維持し続ければいいのであって、「ケーキを食べたらダイエットは成功しない」ということはないのです。

本能に抗ってケーキを絶対に食べないようにする、というのは難しいですが、定量的にご褒美を用意することで本能と理性の両立を目指すことはできるのではないでしょうか?

結論

こんな偉そうな記事を書いている僕ですが、人一倍怠け者で自分に甘い人間であるという自信があります(笑)。

 

おそらく多くの人が本能に抗う方法を考え、苦しみながら努力を重ねていると思いますが、我慢することだけが努力ではないと思います。

 

少し合理的に考えるだけで、苦痛を減らしながら目標を達成することは十分可能だからです。

 

 

モラルライセンシングを知っていないと、いつの間にか本能に流されて目標から遠ざかってしまいます。

 

でも逆にモラルライセンシングをしっかりと理解すれば、努力の仕方を見つめ直して幸福度を保ちながら目標を達成できるでしょう。

 

これからの人生でもモラルライセンシングについての知識は役立てていきたいと思います。

 

モラルライセンシングについて詳しく知りたい方はこちらの本がおすすめです。