ケンゾウの自習室

地方在住サラリーマンの学びと思考の記録

立ち読みを作者のお金に変える方法を考えてみた

 

立ち読みは漫画村の利用と同罪かもしれない

僕は「ワンピース」と「キングダム」が大好きで、毎週月曜と木曜はコンビニで週刊誌の連載を立ち読みしている。

 

二つとも本当に好きだけど、単行本を買って何度も読むほどのファンではないから毎週の立ち読みで十分満足している。

 

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でも最近になってふと気づいたのだが、単行本も買わず、人気投票もせず、もちろん週刊誌も購入しない僕は、漫画村のようなサイトで違法に作品を読んでいる人たちと本質的には何も違わないのではないだろうか?

 

 

一時期「漫画村」という違法漫画サイトが流行っていて、僕の周りにも利用している人がたくさんいた。

 

僕は漫画村には当初から否定的な立場で、「鋼の錬金術師」を漫画村で読んでいる友達には、「お前本当に等価交換理解できてるか?」なんて思っていたりした。

 

 

マンガ作品の評価は、単行本の売り上げや週刊誌での人気投票という「目に見える評価」によって決まる。 

 

特に人気投票は連載の掲載順を決める重要なもので、ランキングが高いほど週刊誌の読まれやすいページに掲載され、新しいファンも開拓しやすい。

 

しかし、単行本が売れない、人気ランキングも低い作品は、やがては連載打ち切りの運命が待っている。

 

 

もちろん、僕が単行本を買わなくても他の誰かが買うし、人気投票も他の誰かがしてくれる。

 

僕が面白いと思っている作品は当然他にも面白いと思っている人がたくさんいて、そういう人たちの中から一定数が作品への「目に見える評価」に貢献している。 

 

だから面白い作品はちゃんと残るし、つまらない作品は淘汰されていく。

 

それでも、立ち読みしかしない大勢のファンの姿は出版社には見えず、作者が潤うこともない。

 

立ち読みしかしない僕は結局、漫画村をつかって違法に無料で作品を楽しんでいる人たちと、「作者の利益」という点では変わらないのではないかと思うのだ。

 

 

「目に見える評価」と「目に見えない評価」

漫画作品への評価には、「目に見える評価」と「目に見えない評価」がある。

 

「目に見える評価」とは週刊誌での人気投票や単行本の売り上げだ。

 

人気投票のランキングが高いものは当然面白いし、単行本が売れているということは何度も読み返したいというファンがたくさんいる証拠だ。

 

これらは具体的な順位や売上金額という、目に見える形で現れる。

 

 

一方で、「目に見えない評価」とは、コンビニで立ち読みしたり、友達から単行本を借りて読んだりしている漫画ファンからの評価だ。

 

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漫画は面白いけど、単行本を買うお金の余裕がない、部屋に置くスペースがない、一回読めば十分など、様々な理由で漫画(単行本)を買わない人はたくさんいる。

 

そういう人たちはもちろん、わざわざ週刊誌の人気投票に参加したりもしない。

 

そうした人たちからの作品への評価は売り上げや票という「目に見える評価」として表れることはなく、作者や出版社を潤すことはないのだ。

 

 

しかし、もしもこうした「目に見えない評価」をお金に換えることができればどうだろうか?

 

作者の収入を増やすことができるのではないだろうか?

 

あるいは、どうにかして「見えない評価」を見えるようにしたら、「単行本は売れないし人気投票も票が集まらないけど、意外と毎週多くの人に読まれている作品」が見つかるかもしれない。

 

そうすれば、それまでは「人気のない作品」として打ち切られていた作品が生き延びることができ、作者にも出版社にも、読者にも喜ばしいのではないだろうか。

 

では、「見えない評価」を見えるようにする方法とは何か?

 

 

「目に見えない評価」を見えるようにする方法とは?

ズバリ、週刊誌の完全電子化を提案したい。

 

ここでは電子化のコストの話はいったん置いて、「見えない評価」が電子化によってなぜ見えるようになるかという議論を進めたい。

 

 

電子化することによってそれまで目に見えなかった評価を「見える評価」に変えることができるのは、作品ごとの閲覧数を完全に把握できるからだ。

 

紙媒体では週刊誌の購入数は正確に把握できても、立ち読みをした人の数までは正確に把握できない。

 

そして、どの作品がどれくらい多くの人に読まれたのかもわからないはずだ。

 

だからこそ、人気投票をすることで作品の人気順を確かめ、掲載順や打ち切りなどを検討しているはずだ。

 

しかし、人気投票は「閲覧数が多い順」を示しているわけではないはずだ。

 

なぜなら、「票を入れるほどではないけど毎週読んでいる作品」というのもあるだろうし、そもそも週刊誌の人気投票にわざわざ投票してる人はごく少数の漫画ファンであり、データに偏りがあるのは間違いないからだ。

 

実際、「面白いと思って読んでいた作品が打ち切りになった」、というエピソードはよく目にする。

 

電子化された週刊誌ならすべての作品の閲覧数を正確に把握できるため、人気投票では分からなかった思わぬ人気作品が見つかったり、予想をはるかに超えるヒットの可能性を持つ作品に気づいたりするかもしれない。

具体的にどう電子化するか?

電子化された週刊誌には5~7日程度の閲覧可能期間を設け、それを超えて閲覧したい場合は購入することで保存できるようにすればよいだろう。

 

その際、作品ごとの購入ができるようだと単行本の販売数に大きな影響が出る可能性があるため、その号全体でしか購入できないという形にした方がいいかもしれない。

 

また、スクリーンショットを制御する機能、作品の閲覧ごとに表示される広告、作品ごとの人気投票機能を用意するといいだろう。

一つずつ解説していく。

スクリーンショットを制御する機能

電子化にあって心配されるのがスクリーンショットの拡散だろう。

 

漫画村のようなサイトを作ろうとする人は現れないと思うが、スクリーンショットを毎週とっておくことで単行本の売り上げが減る恐れはある。

 

しかし、そんな心配はないだろう。

スクリーンショットを防ぐ機能はすでにいくつかのサービスに実装されているからだ。

 

例えば、Amazonのプライムビデオでは映像の再生画面をスクリーンショットしようとしても真っ黒な写真しか取れないようにできている。

 

また、先日紹介したサンデーうぇぶりでも、スクリーンショットをとると警告文が表示され、何度もスクリーンショットをしていると利用ができなくなるようだ。

 

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「サンデーうぇぶり」でスクショを取ろうとすると現れる警告文

 

このように、本気で準備すればスクリーンショットによって著作権侵害が起こることは防げるのだ。

 

 

作品ごとに表示される広告

電子化された週刊誌ならではの収入源として、広告の掲載が考えられる。

 

作品を読むたびに広告が表示されるようになれば、立ち読みしかしていなかった読者が作者の懐を潤すようになる。

 

また、作品の人気度によって広告の表示時間を変えれば最適な収入を作者が得られるようになるかもしれない。

 

人気作品であれば多少広告が長くても我慢して読む人は多いだろうし、その分多くの広告収入を作者に還元できるからだ。

 

逆に、まだ評価が定まっていない新連載の作品は広告をなくして誰にでも読めるようにしてもいい。

 

要するに、広告の再生を作品閲覧の条件にすれば、いい作品を作っている作者ほど大きな収入を得られるというシステムになるはずだ。

作品ごとの人気投票機能

電子化された週刊誌なら人気投票も簡単に行えるようになる。

 

作品の最後のページに「いいね!」ボタンのような機能を用意し、それを押す回数などで作者への応援の気持ちを表明できるようにするのだ。

 

多くの漫画アプリで導入されている機能だが、週刊誌の連載作品でも人気度を正確に測るために役立つだろう。

 

既に述べたことだが、週刊誌の人気投票は一部のファンによってしか行われておらず、データとして偏りがある。

そもそも人気投票の仕方を知らない人の方が大多数なのではないだろうか?

 

「いいね!」のような気軽な気持ちで人気投票ができるようにすれば、質・量ともにより正確なデータを集められるようになるだろう。

 

 

結論

ここまで述べてきたことは何一つデータに基づいていない事ばかりだ。

 

電子化のコストがどれくらいかも把握していないし、広告収入が入ると言っても「ないよりまし」という程度の金額かもしれない。

 

それでも、週刊誌の発行部数は減少傾向で、少子高齢化や人口減少を考慮しても、以前ほど購入する人が多くないのは間違いない。

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「日本と世界の統計データ」より

そんな中で、少しでもいい作品が生き残るため、少しでも作者の努力に報いるために、電子化という手段はある程度効果があるように思われる。

 

この記事で述べた閲覧数の正確なデータや広告収入というメリット以外にも、紙を使わないことによる環境負荷の低減というメリットもある。

 

また、コンビニやスーパーなどで売れ残ったものは出版社が回収し、その多くは処分されているという。

紙媒体には輸送や処分にまで余計なコストがかかっているのだ。

 

 

僕が思いつくようなことを出版社の人たちが思いつかないはずはないから、紙媒体での出版が続いているのには理由があるのだろう。

 

それでも、単行本も買われず、人気投票にもそんなに投票されず、でも毎週なんとなく読みたくなるような、そんな作品が守られるような仕組みができてほしいなぁと思うこの頃だ。