米中貿易戦争についてまとめてみた

最近のニュースで毎日のように耳にする話題の一つが米中貿易戦争です。

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ファーウェイや5G、知的財産権や関税などの話が入り交じる中で、何がきっかけなのか、現在どういう状態なのかわからなくなってきたので、調べたことをまとめてみました。 

中国の経済成長と米国

まず理解しておく必要があるのが中国の著しい経済成長です。下のグラフをご覧ください。

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2009年頃に名目GDPで日本を抜いた中国はその後も猛烈な勢いを見せており、米国に迫りつつあるのがわかります。

(ちなみにGDPには2種類あり、生産額を単純に足して算出したものを名目GDP、インフレなど景気による生産額を考慮して算出したものを実質GDPといいます。)

 

なぜ中国はこれほど急激に経済成長を遂げることが出来たのか?

 

その理由については様々な要素があり、いずれ別の記事で書きたいと思いますが、アメリカは

 

「中国が人民元の為替レートを不当に安く操作することで経済成長してきた」

と主張しています。

 

人民元安の状態にすることで自国製品の輸出を増やすとともに、外国からの輸入品を割高の状態にし、国産製品を外国製品との競争から保護していたという主張です。

 

為替レートの操作に明確な罰則はないそうですが、このやり方がアンフェアであるとアメリカは主張し、関税をかけて中国製品を売れにくくしようとしたため、米中貿易戦争が始まったのです。

始まりはいつなのか?

 米中の貿易に関する対立が表面化したのは、トランプが大統領になったあと、2018年3月ごろです。

 

トランプ政権は、中国から輸入される鉄鋼製品やアルミニウムが不当に安いとして10%だった関税を25%まで引き上げたことが始まりでした。

関税上乗せの応酬

7月になると、中国がアメリカ企業の高い技術を不当に手に入れて知的財産権を害しているとして新たな制裁を次々と実施し、最終的には中国からの輸入額のほぼ半分たにあたる2500億ドル分の中国製品に関税を上乗せしたのです。

 

これらの措置は「アメリカの貿易赤字は悪である」というトランプの考えに起因しています。

 

中国からの輸入過多でアメリカは貿易赤字になっており、輸入する分だけアメリカの工場労働者の仕事がなくなっているのではないかというのです。

 

そこで、中国からの輸入に関税をかければ、中国が輸出を減らしたりアメリカからの輸入を増やすであろうと考えて大統領になりました。

 

ところが、予想に反して中国が対抗措置に出ます。

中国側も大豆や牛肉など、食料を中心に同じ金額だけ関税をかけるという報復措置を実施し、最終的にはアメリカからの輸入の70%以上にあたる1100億ドル分のアメリカ製品に関税を上乗せしたのです。 

疲弊する両国経済と和解への動き

こうした関税引き上げの応酬の結果、両国の経済に悪影響が出始めます。

 

関税引き上げによって中国の景気は徐々にスローダウンしてきましたが、同時にアメリカ国内の消費者の財布も大きなダメージを受けたのです。

 

関税引き上げは確かに輸入品の消費を抑制しますが、結局のところ関税を負担するのは実質的には輸入国の消費者だからです。

 

さすがにこのままではキツイと考えた両国は、12月にアルゼンチンで開かれたG20で直接対話し、これ以上事態をエスカレートさせるべきではないという意見で一致。

 

その後アメリカは中国製品へのさらなる関税引き上げを一時的に見送り、中国はアメリカの農産物などの輸入拡大を約束した他、中国で活動する外国企業に対する技術移転の強制を禁止する法律を成立させ、譲歩の動きを見せたのです。

 

こうして、1年以上にわたる貿易摩擦は解消に向かうかと思われましたが、そんなに甘くはいきませんでした。 

事態の急変

5月になって、アメリカ側が態度を一変します。

 

トランプはツイッターで中国の交渉姿勢に不満を示し、10日を期限に2000億ドル分の輸入品の関税を25%に引き上げると発表しました。

 

米国メディアの報道によると、米国企業への技術移転の強制をめぐって中国側が約束内容を急に撤回したためとされています。

 

さらに13日には中国からの全輸入品に制裁関税の拡大を計画していると発表、15日には中国通信機器最大手のファーウェイへの制裁強化を発表しました。

 

中国もこれに対抗し、6月1日に発動済みの600億ドル分の報復関税を最大25%に引き上げ、2日に発表された貿易協議に関する白書で対米批判を行いました。

 

さらに4日には中国国家発展改革委員会が、レアアースの輸出管理強化方針を発表しました。

 

その後6月29日に行われた米中首脳会談で再び「一時停戦」の合意が成立しましたが、依然事態は良好とは言えない状況が続いてます。

まとめ

・中国が人民元の為替レートを中国が不当に安くして経済成長してきたことにアメリカ(トランプ政権)が反発

・関税をかけて中国に圧力をかける

・中国が対抗姿勢を見せ、互いに関税引き上げの応酬に

・両国の経済に悪影響が出て一度は和解の動きを見せたが、再び対立

・現在は再度和解の道を探っている

 

両国の対立は日本にも大きな影響を与える問題ですので、今後も動向を見守っていきたいと思います。 

今回は長くなってしまったため書きませんでしたが、ファーウェイや5Gの問題についてもいずれ記事に書きたいと思います。