ジュールヴェルヌとは?
ジュール・ヴェルヌという作家をご存じでしょうか。
数多くのSF作品を残し「SF小説の父」と呼ばれるフランスの偉大な作家です。
「海底二万マイル」「地底旅行」「神秘の島」「十五少年漂流記」
これらの作品名に聞き覚えがある方もいるのではないでしょうか。
そう、彼の作品のいくつかは児童向けの簡略版が出版されており、小学校や中学校の図書館に並べられているのを見たことがある人もいると思います。
ヴェルヌ作品とディズニーシー
そんな彼の作品の世界観が東京ディズニーシーに再現されています。
「ミステリアスアイランド」です。
「神秘の島」という作品にちなんで名づけられたこのエリアには、「海底二万マイル」や「センター・オブ・ジ・アース」といったアトラクションがあり、彼の作品の世界観を楽しむことが出来ます。
ちなみに東京ディズニーシーの公式サイトでは、それぞれのアトラクションの説明は以下の通りです。
海底二万マイル:
「かつて高度な文明を誇り、海底に沈んだとされるアトランティス大陸。一説によると人々は生き延び、水中の環境に適応していったというのだが…?! 新しくサーチライトが装備され、よりパワーアップした小型潜水艇に乗り、驚異と冒険に満ちた海底の旅に参加しよう!」
センター・オブ・ジ・アース:
「謎の天才科学者ネモ船長によって明かされる、見たことのない地底世界。神秘的な光景に目を奪われていると、突然火山性の震動が発生!地底走行車は噴火とともに吹き上げられ…。」
原作の設定とは異なりますが、エリア内やアトラクションの随所に原作のキーワードがちりばめられており、ヴェルヌ作品を読んだことがある人は「おっ!」となることでしょう。
ミステリアスアイランドについての豆知識を少し紹介したいと思います。
このエリアは彼の作品やその世界観にちなむ、他のエリアとの違いがいくつかあります。
その一つが従業員の呼び方です。
通常、パーク内の従業員は「キャスト」という呼び方をされますが、このエリアのみ「クルー」という呼び方になっています。
彼らが「海底二万マイル」の登場人物である潜水艦の船長、「ネモ船長」の乗組員という設定だからです。
そしてクルーが左手を右肩にあてる独特の敬礼は両腕で「N」を表しており、このポーズをしながらクルーに「モビリス」と声をかけると、同じポーズで「モビリ」と返してくれます。
これは「海底二万マイル」の作品中に出てくる
「MOBILIS IN MOBILI」
という言葉に由来します。
作品内で描かれる、潜水艦の内部で使われている食器などに記されている文字で、岩波文庫の訳では「動中動」となっています。
解釈としては「動く潜水艦の中で動く者」や、「うごめく海の中を動くもの(潜水艦)」といったところでしょうか。
一方、ディズニーシーのミステリアスアイランドでは
「変化をもって変化する」
という訳になっており、「ネモ船長のモットー」や「ネモ船長の好きな言葉」と紹介されることが多いです。
訳し方や解釈が何であれ、この言葉はミステリアスアイランドのキーワードのひとつであり、エリア内のマンホールなどにもこの言葉は刻まれています。
マンホールの外周に沿って文字が刻まれているのが見えるでしょうか。
ディズニーシーに行った際に探してみると楽しいと思います。
長々と書いてしまいましたが、言いたいことはヴェルヌ作品をぜひ読んでみてほしいということです。
地球の中心に別世界があるといった空想的な部分もありますが、彼の作品は基本的には科学的な知識をもとに精細な記述がなされており、未知の冒険の世界を味わうことが出来ます。
15人の少年が無人島に漂着し、2年間自分たちだけで暮らしていく様子を描く「十五少年漂流記」
南北戦争期のアメリカ南部から気球に乗って脱出し、無人島に辿り着いた男たちを描く「神秘の島」
ロケットで宇宙を旅する「月世界へ行く」
ヴェルヌ作品は小学生だった僕を非日常の世界に旅立たせ、ワクワクした気持ちにさせてくれました。
「海底二万マイル」と「地底旅行」を読んだことがある方には、これらの作品もおすすめですのでぜひ読んでみてください。
ジュール・ヴェルヌを知らなかったという人は、まずは「海底二万マイル」と「地底旅行」を読んで、面白ければ「神秘の島」も読んでみるといいと思います。
きっとディズニーシーのアトラクションをより楽しむことが出来ると思います。
ヴェルヌ作品は無料で読める!
ヴェルヌ作品のほとんどはkindle unlimitedで読み放題になっています。
ディズニーワールドをより楽しむための予習に、ぜひ活用してみてください。