資産を築く近道はカモられないように勉強すること

年金2000万円問題をきっかけに資産運用に関心を持ち始めた人は少なくないと思います。

 

僕自身も来年から社会人になるので、少しずつ税金や経済、金融についての本を読んで資産形成のための勉強を進めているところです。

 

これまでいろいろな本を読んできましたが、今のところ一番シンプルに資産形成の極意を解説していたのがこちらの本、『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』

でした。

 

 

kindle unlimitedで見つけたこちらの本は、金融や資産運用に関する知識が全くない普通の会社員が、経済評論家の山崎元(やまざき はじめ)さんに「お金との付き合い方」「貯金」「投資信託」「年金」「保険」「住宅ローン」など、お金に関する幅広い分野について質問するという形で進んでいきます。

 

素人らしい初歩的な質問や素朴な疑問にも金融のプロ・山崎さんが答えてくれるので、読む人がずっと抱いていた疑問が解消されるはずです。

 

山崎さんの説明のありがたいところは、

「こうするのが正解だ」と一つの道だけを示すのではなく、

 

「こういう人には、こういうやり方もおすすめできる」

「こういう考え方の人は、こうするのもありかもよ?」

 

というスタンスで、人それぞの価値観や置かれている状況に合わせた複数の道を示してくれているところです。

 

例えば、投資信託においてローリスク・ローリターンを求める人もいれば、多少リスクが上がっても大きなリターンを期待したい人もいます。

この本では、それぞれの立場について具体的にどのような商品を買うべきか、どういった基準で商品を選ぶべきかということが解説されています。

 

山崎さん自身はこの本を執筆されたときに楽天証券に勤務されていましたが、自社の商品を押し売りすることはせず、ライバル会社であるSBI証券のサービスを手数料や利便性の観点からおすすめするなど、読者の利益を最優先に考えていらっしゃることがうかがえました。

 

また、本の中で紹介している国債の購入方法やSBI証券のサービスの登録方法などは、実際のウェブページのスクリーンショット見せながら細かく解説されているため、これから資産運用を始める人が安心して準備を進める手助けにもなります。

情弱が搾取される金融ビジネス

この本を読んで僕が学んだことは、

 

「情弱はカモにされる」

 

ということです。

 

本の中で山崎さんは、素人が資産運用をする上でできる最大の努力は「手数料を抑えること」であると述べています。

 

大手の証券会社や銀行では、金融商品の売買手数料が1~2%となっています。
つまり、100万円分の取引をしたら、手数料として1~2万円も取られてしまうということです。

「でもそれ以上の儲けが出れば問題ないんじゃない?」


と思った方もいるかと思いますが、株の年間期待リターンは5%ほどと言われていることを考慮すると、この手数料がどれだけ大きな数字かお分かりいただけると思います。
(ちなみに「世界一の投資家」と呼ばれるウォーレン・バフェットの平均利回りでさえ年20%ほどだそうです。)

 

株にせよ投資信託にせよ、上がるか下がるか、未来のことは誰にもわかりません。

それならば、コストを減らすことだけが僕たちにできる最大の努力なのです。

 

しかし、自分で勉強したり調べたりすることをめんどくさがる人は、

 

「金融のプロに任せれば安心だろう」

 

と思って銀行や証券会社に頼り、結果として高い手数料をとられてしまうのです。

 

これはある意味では仕方がないことではあります。

 

日本では義務教育で金融の知識を全く習いませんから、資産運用の方法どころか毎月の給料から天引きされているお金が何なのかすら理解してない人が大多数だからです。

 

そんな状況で、

 

「年金だけじゃ老後にお金が足りなそうだから資産運用しなはれ」

 

なんて言われてもどうすればいいかわからないのは当然のことです。

 

しかし、

だからと言っていつまでも知らなくていいというわけではありません

 

「知らない」ということは「自分で考えられない」ということであり、「自分で考えられない」ということは

 

「他人に頼らなくてはならない」

 

ということだからです。

 

ここに悪意を持った人間のつけ入る隙が生まれます。

 

資産運用に関して言えば、誰かの助けを借りようと思ったら相談する先は銀行や証券会社などの金融機関です。

 

しかし、「お金のプロに任せれば安心」という気持ちで相談にくる庶民を、残念ながら彼らは「いいカモが来た」という目でしか見ていません。

 

金融商品を販売するときの手数料が彼らの収入源であり、金融の知識を持ち合わせていない、自分たちプロにすがりついてくる素人を騙して手数料がたくさんかかる金融商品を買わせるのは、彼らにとって造作もないことだからです。

 

基本的に金融業界はのビジネスモデルは、

「情弱をカモにする」

というものです。

 

将来への不安を煽り、心配させ、そんな自分に寄り添ってくれるかのように振る舞い、高い手数料を取って商品を買わせるのが金融業界の社員なのです。(金融にお勤めの方がいたらごめんなさい笑)

 

これは保険に関しても同じことが言え、

ほとんど人は保険に入る必要がないのに保険に加入し、毎月高い保険料を払っています

 

詳しい理由は山崎さんがわかりやすく解説してくださっているのでぜひ本で確認していただきたいのですが、一般に知られていないだけで国民保険にさえ加入していれば、様々な制度によってそれほど医療費はかからないのです。

数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う

 これは絶対に胸に刻んでおくべき言葉で、数字を使って何かを説明している人を見たら、何かしらのトリックがあると疑うべきです。

 

有名な話でいえば、

 

「2人に1人が癌になるからがん保険に入ったほうがいい」

 

というものがあります。

 

「2人に1人」というのは高齢者まで含めた全体の数字であり、現役世代の罹患率は決して高くありません。

 

具体的に言うと、40歳の男性が10年以内に癌になる確率は2%ほどと言われています。

 

この数字自体は高いと思うか低いと思うかは人それぞれですが、少なくとも「2人に1人」というのは若年層には当てはまらないということがお分かりいただけるはずです。

 

しかも、高額療養費制度のおかげで70歳未満で月収28~50万円の人の場合、1ヶ月の自己負担限度額は9万円です。

 

毎月の保険料と同じ額を貯金に回していれば十分払えちゃいますよね?

 

このように、保険にせよ株にせよ、営業マンは具体的に数字を出しながら不安を煽って僕たちを騙し、契約を結ばせようとするのです。

 

彼らにカモにされないようにするためには、勉強するしかありません。

勉強せず、自分で考えられない人は、搾取され続けてしまいます。

 

と言っても、ここから脱出するための勉強はそんなに難しいことではないと思います。

今はたくさんの人がこうした情弱搾取の闇についてSNSやYouTubeで発信していて、その内容をなんとなく覚えているだけでも騙されることは減るはずです。

 

 

タイトルの通り、資産を築く近道はカモられないように勉強することだと思っています。 

僕自身もたくさん本を読んで、たくさんYouTubeをみて、「これは役に立つな」と思ったものをみなさんにシェアしていきたいなと思っています。

 

今後もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

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『ひとりで生きていく』ヒロシが語る「お金」と「見栄」の哲学

 

「お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!」がめちゃめちゃ分かりやすいので読んでほしい

 

『武器になる哲学』は哲学が嫌いなすべての人に読んでほしい一冊

『武器になる哲学』は、数ある哲学の思想や論考の中から実生活に役立つ50のコンセプトを「人」「組織」「社会」「思考」の4つの分野に分けて紹介している本です。

オムニバス形式で1つ1つのコンセプトが紹介されているため、興味のあるものから読み進めることができます。

 

「実世界では使えない教養」と捉えられがちな哲学ですが、実際はビジネスパーソンにとって重要な示唆を与えてくれる学問であり、『武器になる哲学』はまさに「哲学の使い方」がわかる本です。

 

著者の山口さんは慶應義塾大学文学部哲学科を卒業して電通に就職した後、複数のコンサルティング会社を渡り歩き、現在は一橋大学経営管理研究科で講師を務めている方です。

 

経営コンサルタントという第一線のビジネスパーソンとして活躍してきた山口さんですが、仕事で一番役立ったのは大学時代に学んだ哲学だったと語ります。

そして、「役に立たない学問」の代名詞ともいえる哲学こそ、ビジネスパーソンに最も必要な教養であると言います。

なぜビジネスパーソンに哲学が必要なのか 

筆者の山口さんは、ビジネスパーソンが哲学を学ぶべき理由を4つ挙げています。

  1. 状況を正確に洞察する
  2. 批判的思考のツボを学ぶ
  3. アジェンダを定める
  4. 二度と悲劇を起こさないため

順に説明していきます。

状況を正確に洞察する

ビジネスパーソンが向き合うべき重要な問いの一つが、「いま、目の前で何が起きているのか」というものです。

この問いに向き合うときに、哲学者が残したコンセプトを学ぶことによって大きな洞察を得ることができると山口さんは語ります。

 

例として挙げられているのが、世界で進行している教育革命についてです。

フィンランドでは、年次別のカリキュラムや教科別の授業をやめることが検討されています。

日本では同じ年齢の子供が同じ教科を同時に勉強するのが当たり前とされていますから、フィンランドのこの流れは一見すると「新しい」教育であるように思えます。

しかし、哲学の弁証法というコンセプトを知っている人はこの流れについて異なる理解をします。

 

弁証法とは、ある主張=Aがあり、それに反対する、もしくは矛盾する主張=Bがあり、それが両者を否定することなく統合する新しい主張=Cに進化するという思考のプロセスを指す言葉で、このときの統合・進化では「発展」と「復古」が同時に起きるとされています。

 

現在のような画一的な教育システムは明治時代の富国強兵政策の下で導入されたものであり、長い歴史の中では極めて短い期間に採用されたシステムです。

それ以前は、寺子屋に代表されるような「年齢もバラバラ、学ぶ教科もバラバラ」という教育がされていました。

つまり、最新の教育システムの潮流は単に「新しい」システムが生まれたのではなく、「古い」教育システムが発展的要素を含んで回帰してきたということです。

 

この教育システムの動きを「過去のシステムの発展的回帰だ」と洞察できるかは、哲学の弁証法というコンセプトを知っているかどうかによって大きく変わるのです。 

批判的思考のツボを学ぶ

哲学の歴史とは、「世の中で言われてきたことに対する批判的考察の歴史」です。

 

「世界はどのように成り立っているか」「その中でどのように生きるか」

という問いに対し、ある哲学者が「こうではないか?」と出した答えがその時代に受け入れられれば、それが世の中の「正解」として普及します。

 

しかし、政変や天災など、現実が大きく変化していくにつれてその「正解」では現実をうまく説明できなくなったり、現実にうまく対処できなかったりすると、また別の哲学者が「やっぱりこうではないか?」と新しいコンセプトを提案します。

哲学の歴史とは、このような「提案→批判→再提案」の連続で成り立っているのです。

 

そしてこれは会社でも同じです。

時代と共に人々の価値観が変わったり、法の制度が変わったりと、企業を取り巻く環境は常に変化し続けます。

その中で企業が生き残っていくためには、古い考え方や行動方針を捨てて新しいものに変えていくことが求められるのです。

 

これはつまり、「古い考え方・行動方針」を批判的にとらえて、新しい考え方・行動方針を提案していくということです。

哲学を学ぶことで、こうした意識的な批判や考察をする知的態度や切り口を得ることができるのです。 

アジェンダを定める

イノベーションの起点になるのはアジェンダ、すなわち「課題」を定めることだと山口さんは言います。

イノベーションと聞くと「アイデア」や「創造性」といったキーワードを多くの人は思い浮かべると思いますが、実際には「課題を設定する能力」の方が必要なのです。

 

ではどうすれば課題設定能力を高めることができるのかという問いに対し、山口さんは「教養を身に着けることである」と答えます。

 

イノベーションとはこれまでの常識を疑うことで初めて生み出されるものです。

しかし、なぜ時計は右回りなのかとか、なぜ信号機は青が「進め」で赤が「止まれ」なのかといったことまで疑っていたらキリがありません。

 

そこで大切になるのが、疑うべき常識と疑わなくていい常識を識別する能力です。

自分の持っている知識と目の前の現実を見比べてみて、普遍性がより低い常識、すなわち「いま、ここだけで通用している常識」を見極める能力が必要で、これは哲学のような教養によってもたらされるのです。

二度と悲劇をおこさないため

世界史を振り返れば、人はなぜここまで残忍になれるのだろうと嘆きたくなるような悲劇が満ち溢れています。

 

ヒトラーやスターリン、毛沢東。

無数の人が犠牲になった悲劇の裏には悪の権化のような個人が存在していますが、忘れてはいけないのが、こうした存在の犠牲になったのが大衆であると同時に、その存在を招いたのもまた大衆であるということです。

 

過去の出来事から私たちは教訓を学び、同じ過ちや悲劇が繰り返されることがないように努めなくてはいけません。

過去の哲学者たちがどのような問いに向き合い、どのように考えたかを知ることは、私たちが当時の人間と同じような過ちを再び繰り返すことがないよう、当時の人々が高すぎる授業料を払って得た教訓を学ぶという側面があるのです。

「哲学=役に立たない」が定着した理由

ビジネスパーソンが哲学を学ぶべき理由は分かりましたが、そうはいっても哲学に対する「つまらない」「役に立たない」というイメージはまだ残っているはずです。

 

ではそもそも、なぜ日本では哲学=役に立たないというイメージがここまで定着しているのでしょうか。

その理由は大きく分けて2つあり、

  • 明治以降の経済成長最優先の社会
  • 哲学者が哲学の有用性を広めなかったこと

だと言われています。

 

明治時代に入ってからの日本では、西欧諸国に並ぶ国力をつけるために富国強兵政策がとられました。

その過程で重視されたは、工学や法学といった「すぐに役立つ」学問であり、本来その礎となるべき哲学などの教養教育はないがしろにされたのです。

戦後においても復興や経済成長が最優先の課題であったため、哲学のような教養にスポットライトが当たることはありませんでした。

「金の卵」や「集団就職」という言葉があるように、中学や高校を卒業してすぐ大都市に就職しに行くのが当たり前だった時代では、「哲学で飯が食えるか」といわんばかりの扱いだったのも無理はないかもしれません。

 

そして日本の哲学者の姿勢にも問題がありました。

 

本来、哲学とは「より良い人生を生きる」「よりよい社会の建設に貢献する」ための有益な道具となりえるものです。

しかし、日本の哲学者たちは哲学のコンセプトそのもののすばらしさを訴えるばかりで、それが大衆にとってどのように役立つのかという観点で啓蒙・説明することはほとんどなかったのです。

 

山口さんはこうした哲学者たちの姿勢を「怠慢」と切り捨てています。

本の中で山口さんが面白い例えをしていたので、引用させていただきます。

 

家を建てるときにはトンカチやノコギリを使いますね。多くの人は「豊かな人生」という家を建てるにあたって、様々な「知的道具」を使いこなそうと思うわけですが、では「哲学」という道具をどう使えばいいのですか?と哲学者に聞くと、「このトンカチには”釘を打つ”というアプリオリに規定された本性はなく....」とか「このノコギリにおける分節観念の射程は広くカンナをも包含し....」とかなんとか、自分たちが興味のある問題ばかりを取り上げて煙に巻いた挙句、一人よがりに「君のこの間の論文、あそこイイね」「何言ってんだよ、君の子の前の論文こそ、スゴイじゃないか」などとやりあっているわけです。これを怠慢と言わずして、なんと言えばいいのでしょうか 。

 

「哲学=つまらない・役に立たない」というイメージが日本に定着した理由がお分かりいただけたと思います。

他の入門書との違い

僕自身、哲学を語れる男になりたいという思いからいくつかの入門書を手に取ってきましたが、どれも半分も読み進めずに挫折してきました。

 

しかし、『武器になる哲学』はとても読みやすく、興味のあるコンセプトから読み進めたあと、残りもすべて読み切ることができました。

それはおそらく、著者の山口さんがこの本を書くにあたって次の3つを意識していたからだと思います。

  1. 目次に時間軸を用いていない
  2. 個人的な有用性に基づいている
  3. 哲学以外の領域もカバーしている

順に説明していきます。

目次に時間軸を用いていない

山口さんの指摘を読むまで気が付きませんでしたが、世の中のたいていの哲学入門書は古代ギリシャから現代にかけて時系列順に解説が進んでいきます。

 

つまり、入門書を手に取った人の多くは、まず最初にソクラテスやアリストテレスあたりの哲学に触れることになるのです。

 

しかし、残念ながら彼らが生涯をかけて必死に考え出した哲学の答えは、現代ではあまりに自明であったり、科学的に否定されていることが多いです。

多くの哲学入門書の序盤ではそのようなコンセプトの解説が延々と続くため、「これ何の役に立つの?」となってしまうわけです。

 

これは僕自身が哲学書に挫折し続けてきた大きな原因であり、多くの人が経験してきたことだと思います。

 

一方で、『武器になる哲学』では目次は時系列順になっておらず、「使用用途」によって構成されています。

 

様々な哲学の問や答えがある中で、「これは何について考える際に有効なのか」と言う観点から整理されているのです。

具体的には、「人」「組織」「社会」「思考」の4の観点からまとめられています。

個人的な有用性に基づいている

一般的な哲学書では、デカルトやカント、ヘーゲルといった「哲学史上重要」な哲学者たちの解説にページ数を割く傾向があります。

しかし、哲学史にとって重要な哲学者やコンセプトが、一般人の生活にとっても重要であるとは限らず、これもまた「役に立たない」「つまらない」という感想を抱くことにつながります。

 

『武器になる哲学』では、第一線のビジネスマンとして活躍してきた著者自身が「これは役に立った」と感じたコンセプトだけがまとめられており、「より良い人生を生きる」という哲学の目的に適った内容になっています。

哲学以外の領域もカバーしている

哲学には、「哲学の専門家以外が哲学に名を残している」という、他の学問ではなかなか起こらない特性があります。

 

例えば、構造主義で有名なレヴィストロースは文化人類学者ですし、進化論で有名なダーウィンは地理学者でした。

 

「物理学に名を残した経済学者」や「歴史学に名を残した生物学者」はほとんどいないでしょうが、哲学の世界では別の学問分野で活躍した人が重要な功績を残していることがたくさんあります。

 

これは、哲学という学問があらゆる分野での発見や知見を活かしながら、人や社会や世界のあり方について洞察を巡らせる学問であるためです。

 

『武器になる哲学』では哲学が持つこうした面を考慮して、哲学の領域のみにフォーカスした考察にならないよう、経済学、心理学、文化人類学、言語学なども取り上げながら話が展開がされています。

とにかくおすすめできる哲学入門書だった

長々と書いてきましたが、この本は今まで読んだ哲学書で一番、いや唯一「面白い」 という感想を抱いた本でした。

 

この記事では割愛しましたが、本の冒頭では世界のエリートたちがあらゆる学問より優先して哲学を学んでいる理由と、日本のビジネスパーソンにいかに哲学の素養が欠けているかということが述べられています。

そちらはぜひ本を手に取って確かめてほしいと思いますが、言い換えれば、哲学を学ぶだけで日本のビジネス界ではライバルに差をつけられるということだと思いました。

 

僕は来年の4月に就職を控える学生ですが、この本は繰り返し読んで自分の将来に役立てたいと思います。

学生・ビジネスマンを問わず、あらゆる哲学初学者におすすめできる本なので、皆さんもぜひ読んでみてください。 

 

『夢をかなえるゾウ』の感想とガネーシャの教え③

ガネーシャの教えを紹介するシリーズも今日で終わりです。

 

今日は、ガネーシャの数ある教えの中でもお気に入りの3つを紹介したいと思います。 

 

人気店に入り、人気の理由を観察する

流行りのシュークリーム屋に入ったガネーシャは、なぜこの店が流行っているか分かるか?と主人公に尋ねます。

 

「なぜって...シュークリームがおいしいからじゃないですか?」

 

「そんだけ?」

 

「あとは...店員さんの接客態度がいい、とか」

 

ぱっとしない返答を繰り返す主人公に、

 

「自分やっぱり全然分かってへんわ」

 

とガネーシャはあきれます。

 

そのお店では、中のカスタードの量が多いからはみ出しても大丈夫なように袋が大きいこと、おすすめ商品の文字が真心のこもった手書きで書かれていることなど、お客さんを喜ばせるための工夫がいくつもされていることをガネーシャは指摘します。

 

「この店全体でお客さんを喜ばせようて気持ちがあるんや。

『この商品、原価安いから儲かるわ』とか『お客さん早く帰らせて回転率上げよ』なんて店側の都合はあらへん。

お客さん、つまりお前や。お前を喜ばせるために、この店はめちゃめちゃ頑張ってんねや。だから、この店には魅力があるんや。

お前が『雰囲気いいなあ』って思うのも、この店全体がお前を愛してるからなんや」

 

僕はせっかくブログを書くなら、たくさんの人に読んでもらって有益な情報や楽しい時間を提供したいと思っています。

 

ネットの世界で大勢の目に触れるまでには時間がかかりますが、少なからず僕のブログを読んでくれている人がいるのは確かです。

 

この人たちにどう情報を届ければいいか、どうしたら楽しませられるだろうかとを考えると、やはり人気ブロガー達のブログの書き方を参考にするのが一番いいという結論に達しました。

 

はてなブログのトップに掲載されているブログを読んだり、面白いと思ったブロガーのトップページをスマホのホーム画面に追加して、暇なときに読むようにしています。

 

どんな文章を書いているか、どんなテーマで書いているか、文字の大きさやデザインはどうかなど、勉強になることがたくさんあります。

 

 

ガネーシャは、成功したいなら普通の人と同じように人気店を楽しむのではなく、人気のお店はなぜ人気なのかという視点をもって時間を過ごせと言います。

 

僕も人気ブロガーはなぜ人気なのかという視点をもって他の人のブログを読み、少しでも役に立つ面白いブログをお届けできるように頑張ります。

 

応募する

ガネーシャは、人生を大きく変える方法の一つが「誰かに才能を認められる」ことであると言います。

 

「誰かに才能を認められることで、自分の人生は変わる。

もうこれはえらい変わるで。

自信に満ち溢れるし、周囲の視線も変わる。

全身からやる気がみなぎって、それこそ飯食うのも寝るのも忘れて働ける。

人生を変える一番強力で手っ取り早い手段はこれや」

 

それではどうやって自分の才能を誰かに認めてもらうか?

 

ガネーシャが教えた方法は、「応募すること」でした。

 

ここでいう応募とは、単にはがきをどこかに送ったりするということだけではなく、「自分の才能が他人に判断されるような状況に身を置く」ことを指します。

 

「起業支援の団体に事業プランをプレゼンしてもええし、資格試験受けてもええし、もう何でもええんや。

とにかく、自分の才能が他人に判断されるような状況に身を置いてみるんや。

自分の持ってる隠れた才能の可能性を見出すために、何か世の中に働きかけることがあったとしたら、それは全部『応募』なんや。

そして、それこそが自分の人生を変え得る大きな力を持ってんねんで」

 

学校での仕事を終えた後の時間で執筆する生活を続けていたスティーブン・キングは、小説を出版社に送るという「応募」をしたから今の地位を築いています。

 

エステル・ゴランタンという女優は、街で見かけた映画の老婦人役の募集を見かけて応募したことで、人気女優としての人生をスタートさせました。

彼女が85歳の時のことです。

 

 

本当に人生は何が起こるかわかりません。

 

でも、何のアクションも起こさない人に人生が開かれることもありません。

 

映画で活躍する俳優も、テレビで活躍するアイドルも、人気の歌手やバンドも、みんな「応募」したからこそ人生を輝かせているのです。

 

 

 

俳優やアイドルに比べればはるかに小さいですが、僕が書いてるブログもまた、ある種の「応募」だと思います。

 

誰にも読まれないかもしれないし、批判のコメントが来るかもしれません。

 

それでも、書き続けることで「面白い」と思ってくれる人が現れるかもしれないし、ブログでのアウトプットを意識したインプットが、将来何かの仕事に役立つかもしれないのです。

 

スティーブ・ジョブズは、「点と点がつながる」という表現を使って、人生で何が役に立つかは分からないと言いました。

 

何に役立つか分からなくても、行動し続けたことは無駄になることはなく、きっといつか何かの役に立つ。

 

僕もこのことを胸に、ブログを続けていきたいと思います。

毎日、感謝する

お金持ちになりたい、有名になりたい、いい家に住みたい、かっこいい車に乗りたい。

 

僕たちは様々な夢や願望を持っています。

 

その夢や願望にはたいてい、大きなお金が必要で、だからこそ僕たちは好きでもない会社に頭を下げて内定をもらい、好きでもない仕事をしに会社に行き、嫌いな上司の言うことに従って働きます。

 

それもこれもすべて、生きていくため。

そしてほしいものを手に入れるためです。

 

しかしガネーシャは、「欲しがれば欲しがるほど、欲しいものは逃げていく」と言います。

 

それは、欲を持っているということは自分の中に「足りない」と感じている部分があり、欲が大きいほど「足りない」も大きいことに原因があります。

 

 

ガネーシャの教えでは、お金とは人を喜ばせた分だけ人からもらうものです。

 

空腹のときに他の人のお腹を満たすことを考えらえないように、

満ち足りない気持ちを抱えた人は他人を幸せにすることを考える余裕がありません。

 

だから、大きな欲望を持っている(=満ち足りない気持ちが大きい)ほど欲しいものが手に入らないのです。

 

「でも...どうすればいいんですか?

 

僕は現にいま、こうして満たされていない。足りていない。

 

そう感じたからこそ、あなたとこうして過ごしてきました。

そもそも、足りてないと思ったからこそ、あなたの課題を頑張ってクリアしてきたんです。成功したいから、努力してきたんです。

 

でも、その考え方がむしろ僕の成功を遠ざけているとあなたは言う。僕はどうすればいいんですか?」

 

主人公の問いかけに、ガネーシャは答えます。

 

 「それはやな....『おおきに』や。『おおきに』て感謝することや」

 

「自分の中に足りんと感じてることがあって、そこを何かで埋めようとするんやのうて、自分は充分に満たされている、自分は幸せやから、他人の中に足りないもんを見つけ、そこに愛を注いでやる。

この状態になってこそ、自分が欲しいと思ってた、お金や名声、それらのすべてが自然な形で手に入るんや。」

 

 お金も、地位も、名誉も、自分で手に入れるものではなく、他人がくれるものだとガネーシャは言います。

 

他人が感謝してくれるからお金が入ってくるし、他人が尊敬してくれるから地位や名誉が手に入るのだと。

 

 

 

僕たち人間は、次から次へと欲望が湧いてくる生きものです。

 

何かを手に入れても、もっといいものを、もっと楽しいことを、もっとおいしいものをと、どんどん、どんどん、欲望がエスカレートしていきます。

 

エスカレートするドしろーとですね。(笑)

 

 

でも、こうやって欲望が湧き出るままにしていたら、僕たちはいつまでたってもお金持ちにはなれないし、いつまでたっても幸せにはなれません。

 

それほどまでに、「満ち足りない」という気持ちは僕たちの幸せを奪うのです。

 

そしてこの満ち足りなさを解消する方法が、「ありがとう」という感謝の言葉だとガネーシャは言っているのです。

 

 

身の回りにあるもの、家族、友達、仕事で出会う人、動物や空気や水も。

 

ありとあらゆるものが、自分が生きるために存在してくれているものです。

 

当たり前のように存在しているけど、とてもありがたいものです。

 

こういうものに「ありがとう」と感謝することで、僕たちのなかにある「足りない」は小さくなっていき、幸せになれるというのです。

 

 

 

正直、精神論です。

 

でも、僕たちが手に入れられるお金には限界がある一方で、欲望は膨れ続けるものである以上、お金で手に入るもので幸せになろうとするのは正しい方法とは言えません。

 

 

僕自身、最近はお金のことばかり考えていて、どうすればお金を増やせるかとか、どうすれば損をしないで生きていけるかとか、本を読みながらそんなことばかり考えていました。

 

www.kenzou-jishu.com

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でも、お金のことばかり考えている時点でお金が「足りない」と感じていて、事実、最近の生活では何をしても焦りのような、物足りなさのような、そんな気分が抜けない状態でした。

 

きっとお金や将来手に入れたいもののことばかり考えて、もうすでに手に入れているものや一緒に過ごしてくれる人たちへの感謝の気持ちが欠けていたからだと思います。

 

 

 

「毎日、感謝する」はガネーシャの最後の教えです。

 

僕はこの教えが一番好きです。 

 

今まで成功者たちが書いた自己啓発本を無数に読んできましたが、そこに書かれていたどんなメソッドよりもこの教えが人生を幸せにしてくれると思います。

 

毎日、身の回りの人や物に感謝する。

 

簡単だけど、幸せになるためにこんなに簡単な方法はありません。

 

みなさんも今日から実践してみてください。

 

自己啓発本を何冊も読むのは無駄 

『夢をかなえるゾウ』のガネーシャの教え、いかがだったでしょうか?

 

最近の記事で紹介したもの以外にも、ためになる教えがたくさんあります。

ぜひ本を手に取って読んでみてください。

 

 

さて、僕が自己啓発本を無数に読んできたことをお話ししましたが、本当にあの時間は無駄だったと思います。

 

なぜなら、世の中のほとんどの自己啓発本に書いてあることは基本的にどれも同じで、言葉やエピソードを変えて紹介しているだけだからです。

 

 

ちなみに、自己啓発本は年に5冊以上読むと幸福度が下がるというデータがあります。

読んでも意味がないどころか、有害でさえあるんです。

 

だからこそ、自己啓発本はバイブルにしたい1冊を選んで、そこに書いてあることだけを実践し続けることをお勧めします。

 

僕たちは体を鍛えるのに時間がかかることは理解しているのに、精神はすぐに鍛えられるという誤解を抱きがちです。

 

だから自己啓発本を読んでも中身を十分に実践せず、結果がすぐに出ないと「もっと効果的な方法があるはずだ」と思って新しい自己啓発本に手を出してしまうのです。

 

クスリみたいですね。(笑)

 

 

 

バイブルにするべき一冊ですが、著者の人間性と、その本の面白さで選べばいいと思います。

 

著者がどんな人生を歩んできたのか、本を読まなくてもネットで検索すればだいたいのことは分かります。

 

その上で尊敬できる人だと思えばその本を読めばいいんです。

 

そして堅苦しい文章は何度も読み返すのが苦痛ですから、言葉の使い方とか話の面白さとかを見て、何度も読みたいと思えるものを選びましょう。

 

以上の条件を満たすのが、僕にとっては水野敬也さんの『夢をかなえるゾウ』でした。

 

本当にストーリーそのものも面白く、また最後はちょっぴり感動して目がウルウルしました。

そしてガネーシャの教えはシンプルだけど核心をついていて、今日から実践できる内容ばかりです。

 

僕はもう自己啓発本は二度と読まず、この本だけを繰り返し読み、ガネーシャの教えを実践していきたいと思います。

 

 

 

みなさんも運命の一冊に出会えることを、心から願っています。 

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昨日に引き続き、『夢をかなえるゾウ』についての記事です。

 

食事を腹八分に抑える 

昼食をどれくらい(の量)食べているかとガネーシャに聞かれた主人公は、「社員食堂で出された分だけ食べている」と返します。

 

それを聞いたガネーシャは、「じゃあ、今日は『腹八分』やな」と言いました。

 

「基本的には自分ら食いすぎやねん。食いすぎとると体に悪いし、眠なるし、集中力下がるし。あ、あとな、寝る前に食いすぎると目覚めが悪いんやで。自分が朝起きられへんのもそのせいちゃう?」

 

自分の食生活を振り返ってみると、ご飯を食べた後は眠気が襲ってきたり、食べ過ぎたときはお腹に圧迫感があって息苦しかったりと、作業に集中しづらい気がします。

 

また、以前読んだ本に、人間の体は16時間くらい何も食べない時間があったほうが消化吸収が十分に行えるため、食事は12時から20時までの間のみにするべきという話がありました。

 

人間が一日に3食の食事をとるようになったのは人類の歴史の中ではつい最近のことで、人間の体は本来そんなに頻繁に食事をするようにはできていないとのこと。

 

 

この理論がどれだけ正しいのかはわかりませんが、僕自身の経験として、バイトで夜遅く(22時以降とか)に家に帰って食事をしたり、まかないを食べて帰ったりした次の日の朝は目覚めが悪いです。

 

逆に、お腹は空いているけど食べるのがめんどくさくてそのまま寝ると、次の日はすっきりと目が覚めます。

 

ガネーシャが言うように、僕たちは思っている以上にご飯を食べすぎていたり、体のコンディションに良くない食べ方をしていたりします。

 

そのせいで本来のパフォーマンスを発揮することができず、勉強やスポーツ、仕事に悪影響を及ぼしているかもしれません。

 

 

近いうちに記事にしますが、こうした問題を解決できそうな食事法があるので、実践していきたいと思います。

 

みなさんも、まずは腹八分に食事量を抑えることから始めていきましょう。

コンビニでお釣りを募金する

コンビニに限りませんが、レジには必ずと言っていいほど募金箱が置いてあります。

 

この募金箱、実際にお金を入れたことがある人は少ないのではないでしょうか?

かくいう僕もありませんでした。

 

 

世の中に困っている人がたくさんいるのはもちろんわかっています。

 

台風や地震の被災者、病気に苦しむ人々、通える学校がない子供たち...

 

でも、そういう人を助けるためには莫大なお金が必要で、そのお金は政府や国際機関が出せばいいと思っていました。

 

僕なんかがレジ横で数十円募金したところで意味があるのか?

そんな行為は自己満足の偽善じゃないかと。

 

そう思っていました。

 

 

しかし、「募金ってなんか偽善者っぽい感じがするんですよね。」という主人公を、ガネーシャは「三流」と言って一蹴します。

 

「ええか?これから自分は成功していくんやろ?そのつもりなんやろ?せやったら、これからはめちゃめちゃ人を喜ばしたり、世の中にとってええことしまくっていかなあかんのやで。それを後ろめたく思てどないすんねん」

 

ガネーシャは、お金とは人を喜ばせて幸せにした分だけもらうものだと説きます。

 

だから、お金持ちになるにはたくさんの人を喜ばせたいと思える人間にならなくてはならず、そういう気持ちを素直に大きくすることが大切で、募金とはそのためにするものだというのです。

 

 

ガネーシャは、スタンダード・オイル社の創業者であるジョン・ロックフェラーが若いころから収入の10%を寄付に充てていたエピソードを紹介します。

 

収入の10%といえば、今の日本でいえば初任給でも1万数千円~2万数千円で、かなり大きな額だと思います。

 

それだけの募金をするのは正直迷ってしまうと思いますが、逆にそれぐらいの募金をするからこそ、「誰かの幸せのためにお金を使った」という自負が生まれるのかもしれません。

 

 

今の僕は親のすねをかじって生きている学生なので、収入の10%を募金するというのは現実的ではありません。

 

そんな余裕があれば親の負担を軽減してあげるべきですね。

 

それでも、自分以外の誰かを喜ばせるためにお金を使うことは今のうちから習慣にしたいと思いました。

 

遠くにいる顔も知らない人でなくても、身近にいる人のためにお金を使うということです。

 

それはたぶん、後輩にご飯をごちそうするみたいな、そういう些細なことからでも十分だと思います。

 

自分を喜ばせるお金の使い方を人は日ごろから考えていますが、たまには人を喜ばせるお金の使い方を考えるのもよさそうだと思いました。

会った人を笑わせる

ある日、ガネーシャは主人公の話し方がつまらないと文句を言い、これからは会う人を笑わせろと言う課題を出しました。

 

「笑わせる、いうんは、『空気を作る』っちゅうことなんや。場の空気が沈んだり暗かったりしても、その空気を換えられるだけの力が笑いにはあるんや。ええ空気の中で仕事したら、ええアイデアかて生まれるし、やる気も出てくる。人に対して優しゅうなれるし、自分のええ面が引き出される。それくらい空気言うのんは大事やし、笑いって大事なんやで」

 

会う人を笑わせる。

簡単なようで難しい課題です。

 

 

この課題の難しいところは、まず自分の気分をポジティブな方向にコントロールしなくてはならないところです。

 

誰しも、通学や通勤中のちょっとした出来事がきっかけで、むしゃくしゃした気分で学校や職場についた経験があるはずです。

 

しかも、そんなときに限ってクラスメートにうっとうしい絡まれ方をされたり、同僚や上司に面倒な仕事を頼まれたりする。

 

こんな気分では、人を笑わせるどころではありませんよね。

 

 

それでも、ガネーシャの課題をこなそうと思ったら自分のイライラはどこかに置いて、笑顔で冗談を言ったり、気の利いた返しをしなくてはなりません。

 

怒っている人やつまらなそうな顔をした人がどれだけジョークを言っても相手は笑えませんし、そもそもジョークと捉えられず、嫌味を言っているように受け取られかねないからです。

 

人を笑わせるには、まず自分が笑顔にならなくてはならないのです。

 

自分を笑顔にするというのは人を笑わせるよりも難しいことなのかもしれませんが、ガネーシャの教えには人を笑わせることを意識することで、自分も笑顔になれという意味があるのかもしれませんね。

 

 

そして人を笑わせることは間違いなくコミュニティでの自分の立場をよくします。

 

誰だって一緒にいて楽しい人と時間を過ごしたいし、どうせ仕事をするなら面白い人と仕事がしたいはずです。

 

ガネーシャの教えは、「人を笑わせることで自分の周りにたくさんの人が集まるようになって、それがやがて自分の信頼を高めて、いい仕事が舞い込んでくる」ということだと思います。

 

 

学校や職場でいきなりキャラを変えることは難しいですし、無理に笑わせようとすると変に思われるかもしれません。

 

少しずつでいいので、一緒にいる相手を楽しませようという意識で過ごしていきたいと思います。

まっすぐ帰宅する

ある日、主人公は泥酔状態で帰宅しました。

仕事終わりに同僚に誘われて飲みに行ってきたのです。

 

帰宅した彼は、

「本当はこれ着ぐるみなんでしょ?」などと言いながらガネーシャにダルがらみし、挙句の果てには

 

「神様だったらすぐに成功させてくださいよぉ。本当は偽物なんじゃないですかぁ?」などと暴言を浴びせたのです。

 

「自分、そんなこと言うてたらホンマにバチあたるで」

 

とガネーシャは警告し、「あてられるもんならあててくださいよぉ」と言った主人公は、翌朝目が覚めるとベットに縛り付けられていました。

 

目覚めた主人公にガネーシャは語りかけます。

 

「世の中のほとんどの人間はなぁ、『反応』して生きてんねや。

 

(中略)

 

自分から世の中に働きかけるんやのうて、自分の周囲に『反応』しとるだけなんや。

 

親から言われて勉強して、みんながやるから受験して、みんなが就職するから就職して、上司から『これやっとけ』言われるからそれをやって、

とにかく反応して、反応して、反応し続けて一生終えるんや。 

 

(中略)

 

もっと具体的に言おか。

 

例えばその日のうちに自分がやらなあかんことがあるとするやん。夢とか目標とか、そういうの中心に毎日の生活組み立ててったら、飲みの誘い断ってたかもしれへんやん。

 

でも自分は『誘われたから』行ったんや。誘われた、という周囲からの働きかけに対して、反応して流されたんや。そやろ?」

 

耳が痛いのは僕だけではないでしょう。

 

僕自身、これまでやるべきことがあるのに友達に誘われて遊びに行ったことが何度もありました。

 

高校時代、テスト週間で勉強に専念しなくてはならないのに、友達に誘われてサッカーをしたこと。

 

大学に入り、テストの前日なのに友達に誘われて飲みに行ったこと。

 

周囲からの誘いに「反応」して僕がしてきたことは、その時は楽しかったけど、後から振り返ると何の役にも立たず、それどころか僕の人生にはマイナスになることが多かったです。

 

あの時、友達の誘いを断ってテスト勉強に専念していれば、もっといい大学に行けてたかもしれないし、単位を落とすこともなかったかもしれない。

 

もっと自分の将来を考えて何をするべきなのか計画を立てて、そのための努力をするべきなのに。

 

それを分かっているのに、大学4年生になった僕はみんなが就職活動をしているから就職活動を始め、友達が受けているからというだけの理由で特に興味もない業界の企業を受けていました。

 

そして今、手に入れた内定の中で、親が「安定が一番だよ」と勧めてきた企業に入社しようとしている僕がいます。

 

ガネーシャが聞いたらあきれそうなほどに「反応」し続けの人生です。

 

 

 

もしも人生で成功したいなら、ガネーシャが言うように自分の時間は自分で管理し、やるべきことをコツコツとやらなくてはなりません。

 

特に社会人になれば、一日のほとんどは仕事に割かなくてはならず、まとまった時間をとることは難しいはずです。

 

「休日にやればいいや」ではなく、平日の無意味な飲み会を断って帰宅し、少しの時間でも積み重ねていかなくてはなりません。

 

 

ガネーシャは、仕事終わりの時間や週末の時間をひたすら執筆に回して現在の地位を築いたスティーブン・キングのエピソードを紹介します。

彼は小説家になる前は学校で先生の仕事をしていたというのです。

 

以前の記事で紹介した本多静六も、仕事以外の時間でひたすらに執筆を続け、生涯で370を超える著作を残しました。

 

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偉大なことを成し遂げる人が持っている才能とは、誘惑に負けずに自分がやるべきことをやるための時間を確保する”自制心”なのかもしれませんね。

 

僕はこれまで「反応」し続けの人生を歩んできた結果、まだ大学も卒業しないうちからぱっとしない人生を歩んでいる自覚があります。

 

でも死ぬときに振り返って満足できる人生を送るためには、周囲の誘いや世間の常識に流されるのではなく、自分のやるべきことをやり、自分の価値観で生きていかなくてはなりません。

 

内定先企業への入社手続きが迫っていますが、もっと違う働き方を模索したいと考えています。

 

そして(いつになるか分かりませんが)社会人になっても、くだらない飲み会や”サラリーマンの付き合い”で自分の時間を無駄にすることなく、勉強に励んでいこうと思います。 

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『夢をかなえるゾウ』とは?

『夢をかなえるゾウ』は2007年に出版され、著者である水野敬也さんを一躍有名にした本です。

 

 

「笑い×自己啓発」という水野さんのスタイルを確立した本であり、その後は第2弾、第3弾も刊行され、人気シリーズとなりました。

 

この本の存在は高校時代から知っていましたが、これまで手に取って読むことはありませんでした。

 

しかし、最近になってkindle unlimitedで読み放題の対象になっているのを偶然見つけ、この機会に読むことにしました。

 

 

ストーリーをざっくりと説明します。

 

平凡なサラリーマンである主人公はある日、会社の先輩に連れられて有名な実業家の誕生パーティーに潜り込む。そこに集まっていたスポーツ選手やテレビタレント、モデルやアイドルといった「キラキラ」した人たちと自分のギャップに打ちのめされ、帰宅後にやけ酒を飲んで眠りに落ちる。

 

翌朝目が覚めると、目の前にゾウの姿をした神様・「ガネーシャ」が現われ、「人生を変えたいか?」と尋ねてくる。

 

突然現れたガネーシャの存在を信じきれないながらも、「人生を変えたい」と決意した主人公はガネーシャと「契約」を結び、人生を変えるための様々な課題をこなしていく....

 

ジャンルとしては自己啓発本ですが、「朝6時に起きて勉強しましょう」とか「週に3回はジムに行きましょう」みたいな、成功者の行動スタイルをただ記しただけの本ではありません。

 

成功するための心構えを、主人公とガネーシャのテンポのいい、面白い掛け合いの中で示してくれる形式となっていて、単純に物語としても楽しく読み進めることができると思います。

 

この小説の面白さのキーとなるのがガネーシャというキャラクターなのですが、インドの神様なのに関西弁で話し、あんみつが大好物という設定がまず面白いです。

 

そして主人公に腹八分の食事を勧める一方で自分は「腹十二分」の大食いで、

「反面教師に自ら率先してなっとるからやねんで!」

という意味不明な言い訳をしたり、日本での「ガネーシャ」の知名度の低さにすねたりと、ちょっとウザいところもあるけど愛らしいという、魅力的なキャラクターです。

 

そんなガネーシャの教えについて僕が思ったことを書き残したいと思いますが、長くなったので複数回に分けて投稿していきます。

 

靴をみがく

ガネーシャの最初の教えは、靴をみがきなさいというものでした。

 

え?人生を変えるための教えがそれですか?

 

と疑問を抱く主人公に、ガネーシャは野球選手のイチローのエピソードを紹介します。

 

イチローは、「神聖な商売道具を粗末に扱うことは考えられない」と言い、小学生の頃から入念にグラブをみがいていた。

そういった仕事に対するまっすぐな姿勢こそが成功への道だとガネーシャは語ります。

 

「ええか?自分が会社行く時も、営業で外回りをする時も、カラオケ行ってバカ騒ぎしてる時も、靴はずっと気張って支えてくれとんのや。

そういう自分支えてくれるもん大事にできんやつが成功するか、アホ!」

 

今、外出しているなら足元を見下ろしてみてください。

あなたの靴は汚れていないでしょうか?

僕はこの章を読んでいた時、靴が泥で汚れていました。

 

正直な話、僕も主人公と同じで靴磨きなんかしても成功しないだろうと思いました。

しかし、よく考えてみるとメディアに出るような成功者で汚らしい靴を履いている人なんて見たことがないことに気が付きました。

 

「神は細部に宿る」とスティーブ・ジョブズは言いましたが、立派な人が細かい部分まで気を遣うのは確かなことなのかもしれません。

 

そして、自分を足元から支えてくれる靴に感謝できるような人は、身の回りで自分を支えてくれる人にもちゃんと感謝することができ、そういう人が信頼を勝ち得て仕事でも成功してくのかもしれないと思いました。

 

帰宅後の5分、いや3分でも、靴をみがく習慣をつけていきたいと思います。

トイレを掃除する

靴の次はトイレかと、ここまでは自己啓発本で定番の内容が続きますが、それだけ大切な事だということでしょう。

 

トイレ掃除ほど誰にとっても大切で、かつ誰もやりたがらないことはありません。

 

汚れがこびりついた便器と向き合って拭き掃除をしたり、ブラシでこすったりするのはほとんどの人にとってかなりの苦痛だからです。

もしも便器の中の水が顔にはねたりしたらと思うと発狂しそうになりますね。

 

しかし、「誰もやりたがらないけど誰もが必要としている」ことをやるというのは、ビジネスの本質ともいえます。

 

「トイレを掃除する、ちゅことはやな、一番汚いところを掃除するっちゅうことや。そんなもん誰かてやりたないやろ。

けどな、人がやりたがらんことをやるからこそ、それが一番喜ばれるんや。

一番人に頼みたいことやから、そこに価値が生まれるんや。」

 

インスタントの安いコーヒーがあるのにその数倍の値段でもスタバのコーヒーが売れるのは、おいしいコーヒーを飲みたい人はたくさんいても、おいしいコーヒーを作るために手間をかけたい人はほとんどいないからです。

 

ビジネスで成功する人は、「他の人がやりたがらないけど多くの人に必要とされていること」に目を向けることができる人なのかもしれません。

 

ちなみに最近はトイレ掃除グッズもかなり進化していて、シートもブラシもトイレに流して使い捨てできるものがたくさんあるので、ぜひチェックしてみてください。

 

一緒にトイレ掃除、頑張りましょう。

毎朝、全身鏡を見て身なりを整える

僕たちは自己啓発本を読むと、それを読み終えただけで精神面が鍛えられたような錯覚を抱いてしまいます。

 

しかし、たった一回のトレーニングで立派な筋肉がつくわけではないように、自己啓発本を読んだだけですぐに人間の内面が変わることはありません。

 

体の変化に時間がかかるように、精神の変化もまた、時間がかかるのです。

 

ではどうすればいち早く精神を鍛えることができるのか。

 

ガネーシャは環境を変えることで精神にも変化が現われ、服装は簡単に変えることのできる環境の一つだと語ります。

 

「服は変えられることのできる環境の一つです。ナポレオン・ボナパルトくんも言うてはります。『人はその制服の通りの人間になる』と。

服装が人の意識に与える影響は見逃せまへん。自分に自信の持てる服を身に着ければ、行動や言動も変わると言われとります。」

 

ちなみにガネーシャが敬語を使っているのは、教えをもったいぶってふざけた暗号を使ったところ、主人公にビンタされて面くらっているからです。

この辺の主人公とガネーシャのやりとりも注目して読んでいただければと思います。

 

さて、ナポレオンが言ったとされる「人はその制服の通りの人間になる」という言葉ですが、日本一有名なホストであるローランドもまた、似たような言葉を言っていました。

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ローランドは、

「いいスーツを着ていると、それが似合う男になるじゃん。ジャージばっかり着ていると、ジャージが似合う男になっちゃうんだよね」

という名言を残していて、これは多くの人に響く言葉なのではないでしょうか。

 

大学を見渡しても、モテそうな人は男女問わずきちんとした服装(おしゃれとは言えなくても、清潔感があって無難な服装も含む)をしていて、なんというか、自信が顔からあふれているように思います。

 

逆に、教室の隅で2,3人で固まっているモテなそうな男たちは、よくわからない柄物のシャツを着たり、ジャージとスウェットという服装をしてたりします。

 

ガネーシャが言うように、服装が人の内面に与える影響は大きいということでしょう。

おしゃれとまではいかなくても、無難で清潔感のある服装をしていれば自信をもって街を歩けるし、就職活動でスーツを着ていたころは思わず背筋を伸ばして立っていました。 

 

毎朝、鏡を見て服装を整えることで少し自信が付き、その自信が行動を変えて、人生を少しずつ変えていくのかもしれませんね。

 

僕も服装と髪型を整えて外出することを心がけようと思います。

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ぜひチェックしてみてください。

 

『夢をかなえるゾウ』の感想とガネーシャの教え②

 

『夢をかなえるゾウ』の感想とガネーシャの教え③

 

『ひとりで生きていく』ヒロシが語る「お金」と「見栄」の哲学

ヒロシというお笑い芸人を覚えているだろうか。

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芸人兼ソロキャンプYouTuberのヒロシ


「ヒロシです...」のネタで一世を風靡した彼はテレビで引っ張りだこになり、最盛期の月収は4000万円に及ぶほどの人気を博した。

 しかし、やがてテレビ出演の機会は激減し、いわゆる「一発屋芸人」としてごくたまにテレビで見かけるだけの存在になった。

 

そんな彼が最近、以前とは別の舞台で注目と人気を集めているという。

現在の彼は、チャネル登録者数50万人を超える「ひろしちゃんねる」を運営する「ソロキャンプYou Tuber」として活躍しているのだ。

そして今月2日には、「50歳、未婚、彼女・友達なし」である自身の生き方について語った著書、「ひとりで生きていく」を出版した。 

 

 

YouTubeでの活動や著書の中で語られた内容に、「お金」と「幸福」について考えるいいヒントがあるように感じたので紹介したい。

高級車に乗るのは神田うのと結婚するようなもの

ヒロシがYouTuberとして活動し始める以前の話だ。

芸人として売れはじめたヒロシは、四畳半のアパートから港区にある家賃40万円の2LDKのマンションに引っ越した。

家具は60万円もするソファやクイーンサイズのベッドを買い、車はジャガーに乗るようになった。

 

周囲から見てわかりやすい成功の証が欲しかったという。
しかし、車を修理に出しに行ったところ総額で百数十万円もかかると言われ、針金一つでも6万円の修理代がかることに驚かされたという。

あまりの高さに修理代を渋りつつも、「ジャガーには乗り続けたいんですよね....」と言うヒロシは、「じゃカーに乗り続けるのは、神田うのと結婚するのと一緒ですよ。」と言われハッとしたという。

 

神田うののような美人でセレブな女性を養うのであれば、安い総菜やインスタント食品で満足させることはできない。

セレブに見合うだけの高級料理を食べさせなくてはならないし、身の回りの道具も高級品が求められるだろう。

ちょっとやそっとのお金持ちでは届かない、高嶺の花なのだ。

 

彼はその時になって、自分が住んでいる高級マンションも、乗っていたジャガーも、すべてが見栄による買い物であったことに気づいたという。

彼が購入した革張りの3人掛けソファはいつも座る片隅の部分だけが黒く汚れ、そのソファが自分の生活に必要なもの以上であったことを思い知った。

 

お金があるからといって家賃の高い家に住み、必要のないブランド物を買い、高級車を買う。どれも典型的な「浪費家」のお金の使い方で、結局のところすべて見栄であると彼は言う。

「自分の見栄で使うお金には際限がない。この見栄と、戦っていかなければならないのだ。」

節約はエンターテインメント

ヒロシのYouTubeチャンネルでは、彼が一人でキャンプをする様子が公開されている。

特徴的なのは、キャンプで使う道具が決してブランドものばかりではないことだ。

ブルーシートで簡易テントを作ったり、ブランドものなら2000円以上する食器を100円のもので代用したりと、「お金をかけなくても楽しめる」キャンプの様子が映されている。

 

高いお金を払えば「いいもの」を買えたり「いい経験」ができたりするのは、高級な食材を使えばよほどの料理下手でもない限り美味しい料理を作れるのと同じで、ほとんど当たり前と言ってもいい。

しかし、そうした消費は無駄使いにつながりやすく、創意工夫もないとヒロシは語る。

 

工夫をこらして安い食材でも美味しい料理を作れるのがいい料理人であるように、

安いもの「なのに」工夫によって楽しさを生み出す消費こそが「いい消費」なのだ。

節約=ケチではなく、賢く生きるということはお金を必要としないということなのだ。

 

私たちはインフルエンサーの影響を強く受け、お金をかけるだけで得られる「いいもの」、「いい経験」を求めてしまいがちだが、お金をかけずに同じクオリティを求める工夫にもまた価値があるということを覚えておくべきだ。

お金がすべてじゃない

金持ちになって言ってみたい言葉ナンバーワンを、ヒロシもまた言っている。

 

僕たちはお金があれば何でも手に入ると思っているはずだ。僕ももちろんそう思っている。

お金があれば良い家に住み、行きたい場所に行き、食べたいものを好きなだけ食べられるだろう。

美人な女優やモデルと結婚するのも、少なくともしがないサラリーマンに比べたら簡単だろう。

 

ヒロシもまた、 芸人として売れればほしいものすべてが手に入り、きれいな女優とも付き合えて幸せになれると思っていた。

しかし、振り返れば無駄でしかなかったものを買い、女優と付き合うこともなかった。

 

お金がない人に「お金がすべてじゃない」と言っても響くことはない。

お金持ちになったことがない人が「お金がすべてじゃない」と信じようとしても、だんだんと現実逃避をしているような虚しい気分になるものだ。やはりお金を実際に手に入れてみない事には「お金がすべてではない」などとは思えないだろう。

 

だからこそ、どんな人も貯金をするべきだとヒロシは言う。

独身であれば年収300万円でも節約生活で1年で100万円貯めることはできるし、それを5年続ければ500万円という大金になる。

そうしてお金を貯めることができれば気持ちに余裕もでき、「お金がすべてじゃない」と気づくだろうというのだ。

「お金があればやりたい」ことは、「お金がなきゃできないと思っている」こと

僕たちは無意識のうちに、お金がなければできることは限られていると思い込んでしまっているのかもしれない。

 

「お金があれば何をしたい?」と聞かれたとき、「海外を旅したい」とか、「美味しいものを食べたい」と答える人は多いだろう。

逆に言えば、そういう人たちはこれらのことをするためにはお金が必要であるという先入観にとらわれているとも言える。

 

海外旅行が高いというイメージがあるのは代理店が用意するコースを利用しようとしているからで、少し手間をかけて宿泊先やチケットを自分で用意し、ルートやスケジュールを自分で決めればはるかに安く海外を旅できる。(ちょっとしたライフハックだが、英語が多少読めるなら旅行先の国のサイトで航空チケットをとるとかなりの節約になることがあるので試してほしい。)

 

高級レストランの料理が高いのは、それを作るシェフや料理を運ぶウエイターたちの人件費と、きれいな景色のために土地代が上乗せされているからだ。

高級レストランの食事代の半分でも自炊の材料費に充てて、いつもよりいい食材で料理をすれば十分美味しい食事ができるだろう。

 

このように、僕たちは少しの工夫で高いクオリティを手にれられるのに、お金をかけなければそれが手に入らないという錯覚を抱いているのだ。

この錯覚に惑わされることなく、少しの手間と工夫をする人は幸福度も高くお金を貯めることもできるが、この手間と工夫を惜しむ人は必要以上に高いお金をとられて搾取され、「もっとお金があれば...」という思いだけが積み重なる人生を送るのかもしれない。

お金を稼ぐことよりも見栄を捨てることがお金持ちへの近道

 ヒロシが繰り返し使っていた「見栄」というキーワードを、僕たちはもっと意識して生きる方がいいだろう。

 

見栄があるから、いいスーツを着たいし、いいブランドを身に着けたいし、いい家に住んでいい車が欲しくなる。

 

そうした見栄のための消費で幸せになれるのならもちろん結構なことだが、見栄のための消費とは結局のところ「他人のための消費」なのではないだろうか。 

 

見栄とは周囲が自分をどう見るか、どう思うかというところが起点になった感情であり、それは自分の内側から湧いてくる感情ではない。

見栄のための消費とは他人のための消費だから、自分の感情が満たされることはなく、後から振り返ると虚しさしか残らないのだろう。60万円のソファの片隅しか使っていなかったことに気が付いた時のヒロシのように。

 

「お金持ちになるためにどう稼ぐか」ということを多くの人は考えるが、収入を伸ばすことよりも支出を減らすことの方がはるかに簡単だし結果もすぐに出る。

そして現状の支出に「見栄のための消費」があるなら、そこを削ることがお金持ちへの第一歩になるだろう。

 

本多静六『私の財産告白』に学ぶ資産の築き方

本多静六とは

本多静六は1866年に埼玉県で生まれ、林学博士、造園家、株式投資家として知られている。

裕福な農家の生まれだったが、9歳の時に父親が急死すると同時に多額の借金が家に舞い込み、それまでとは打って変わって苦しい生活をするようになった。

苦学の末に現在の東京大学農学部に当たる東京農林学校を首席で卒業し、林学を学ぶためにドイツに留学した後は帰国して母校の助教授を経て教授になった人だ。

 

そんな彼は勤倹貯蓄と分散投資によって一代で財を成し、さらに370冊を超える著作を残したことで知られている。

彼の貯蓄や投資のメソッド、大学教授を務めながら膨大な著作を執筆した秘訣をまとめた著書が「私の財産告白」だ。

本多式貯金術

本多の貯蓄方法はいたってシンプルだ。

それは、

  • 給与の4分の1を天引きして貯蓄に回す
  • ボーナスは全額貯蓄に回す
  • 書籍の執筆などの副業収入は全額貯蓄に回す
  • 倹約に努める

というだけのものだ。

4分の1貯金法

本多は、給料収入の4分の1を貯金し、さらにボーナスや副業収入は全額を貯金していた。式に表すと、

貯金=給料収入×1/4 +(副業収入 + ボーナス)×10/10

となる。

どれだけ生活が苦しかろうと、どれだけほしいものがあろうと、給料は4分の1を絶対に天引きして貯金に回すのである。

 

税金のことを考慮に入れないで計算するが、年収400万円の人は300万円、年収600万円のひとは450万円で生活するということだ。

これは多くの人にとって大きな苦痛を伴う貯金方法だ。

 

一般的に収入が増えると人は生活水準を上げずにはいられないし、一度上げた生活水準は容易には下げられない。

 

小学生の時は月に2000円のお小遣いで駄菓子を買っていれば満足できたが、高校生や大学生でバイトを始めて自由に使えるお金が増えてからは、カラオケやらディズニーランドやらとお金のかかる遊びが増えたはずだ。

社会人になれば学生時代の数倍の収入を手にするが、それに伴って遊びの単価も増え、それまで知らなかった刺激に触れて誘惑も多いはずだ。

 

しかし、お金持ちに本当になりたいのであればこうした誘惑をはねのけて節約に励まなくてはならないということだ。

倹約の哲学

本多は何もケチになれと言っているのではない。見栄を捨てて浪費をやめるべきであるといっているのだ。

 

この世の浪費のほとんどは見栄に起因するものである。

 

収入の高さを誇りたいために必要以上に高額な時計を身に着けたり、女の子の前でかっこつけたいために高級車を買ったり。

そうしたつまらない見栄のためにお金を浪費してはいけないと本多は説いているのだ。

 

現代では、自分の生活がいかに充実しているかを見せたいためにSNSで話題のお店や観光スポットに行き、その様子を投稿することもまた浪費と言えるかもしれない。

 

ユーチューバーやインフルエンサーなど、圧倒的にキラキラにした生活を私たちは日々見せつけられ、憧れを抱いている。いや、憧れさせられているのだ

彼らに煽られるままに見栄を張ろうとして浪費するのではなく、自分が本当に価値を見出せるものにお金を使えばいい。

 

倹約は必要なものを削ることではなく、無駄を省くことなのだ。

本多式投資術

本多式資産形成術のステップ2は貯蓄したお金の運用だ。

 

本多は、貯蓄でためたお金を投資に回すことでお金は雪だるま式に増えていき、資産を築けると説く。むしろ、4分の1貯蓄術でお金を貯めるだけでは大した資産にはならないというのだ。

現代に置き換えて考えれば、サラリーマンの平均生涯年収である2億~3億の4分の1は5000~7500万円であり、老後の備えとしては莫大な資産と言える。

 

しかし、年老いて活力を失った後にできる贅沢には限りがあるし、エネルギーに満ちあふれた若い時期に我慢に我慢を重ねた末の額と考えるとそれほど喜べる資産ではない。

 

本多は、貯蓄を投資に回すことでまだ若いうちから資産を築き、会社の収入に依存せずに生きていける状態=経済的独立を目指せると説く。

では彼はどのようをな戦略で投資をしたのか。それは、

「二割利食い」「十割益半分手放し」という2つの戦術を用いた投資だった。

二割利食い

株で利益が出ているとき、もっと株価が上がると期待してしまう心理はよく理解できる。

ギャンブルでもそうだが、勝っているときに中断するというのは負けているときに中断するよりも難しいことだ。

 

だからこそ、株式投資ではある一定の利益が出た時点で機械的に売り、利益を確定させることが大切になる。

 

そのラインが本多の場合は「二割」であり、二割の利益が出た時点で銀行預金(当時の利子は4%ほど)よりも利回りがはるかにいいということで満足したのだ。

これが「二割利食い」である。

 

もっとも本多が実際に行ったのは先物取引であったため少し事情は変わるが、ある一定の基準を決めて機械的に売買することは投資では最も理想的なやり方であるとされている。

 

もっと上がるだろう、ここから上がるだろうという感情に流されるのではなく、理性的な運用をするべきということだろう。

十割益半分手放し

株を買って、株価が2倍以上になったとする。

 

その時、株価がこれからも順調に上昇していくだろうと楽観視してそのままにしておくと、突然株価が急落して元本割れが起こる可能性がある。

 

本多はこうした事態を避けるために、株価が二倍になった時点、すなわち十割の利益が出た時点で株を半分売ったのだ。

すると元本と同じ額が現金化され、残った株が順調に上昇すれば利益が増えていくし、下落したとしても損をすることはないのである。

 

これが十割益半分手放しである。

 

本多は投資は堅実に行うべきものであり、決して「投機」になってはならないと説く。

多くの人は株価が倍になれば大喜してそのまま株を持ち続けるが、冷静に元本を現金化することで確実に損失を防ぐべしということだろう。

本多式資産形成のゴールは仕事への熱中

ここまでで本多式資産形成術の具体的な話を進めてきたが、本多はツイッター広告でよく見かけるような、「投資で儲けて仕事をやめよう!」みたいな人ではない。

 

本多は倹約と堅実な投資で資産を築くことで経済的な独立を目指したが、仕事を楽しむことこそが大切であると説く。

投資だけで資産を築くのは多くの人にとって極めて困難かつハイリスクであり、本多式資産形成術はそこを目指しているわけではない。あくまでも資産形成は経済的独立のためであり、最大の収入源は仕事なのだ。

 

そして人はお金のためだけに働くのには限界がある。

いくら年収を積まれても、仕事がつまらないと感じるときは人生の幸福度は低いだろう。

だからこそ、本業に熱中することをまずは目指せと本多は言う。

 

そしてその上で本業に役立つ副業をすれば、仕事も楽しめるし収入も増え、さらにそれを投資に回すことで幸福度を高めるとともに資産を増やすことができるのだ。

このサイクルを作り上げることが本多式資産形成のゴールなのだ。

 

本多は大学教授を務める傍ら、日々自分で決めたページ数だけ書籍の執筆を進めていた。こうした積み重ねの結果、生涯で370を超える著作を生み出したのだ。

この副業は本業と独立したものではなく、本業である大学教授の仕事役立つものだったという。

 

副業を成功させて独立を目指すというのが最近の流行りのようだが、まずは本業に精を出し、そこで得られた能力を副業に還元したり、本業に役立ちそうなスキルが身につく副業を探したりするべきということだろう。

まとめ

「私の財産告白」で語られていることは、何一つ特別なことがない。

倹約してお金をため、堅実な投資で資産を増やす。

仕事に熱中し、本業の役に立つ副業をする。

当たり前のことでしかないが、やはりその当たり前を堅実にこなせる人が最後は勝つということだろう。

 

ネットの世界では、「会社が嫌なら投資や転職や副業をしよう!」といたずらに煽る人がいるし、それに賛同する人もたくさんいる。

しかし、彼らの中のほとんどの人の心の底にあるのは、「楽をして生きたい」という思いだろう。

「私の財産告白」は、次の一文で締めくくられている。

人生即努力、努力即幸福、これが私の体験社会学の最終結論である。

人生とは努力することであり、努力が幸福をもたらすのである。

理不尽で違法な待遇に耐える必要はないが、努力することを嫌がって投資や副業に逃げようとするのは間違いであると、最近のネットの様子を本多がみたら言うのではないだろうか。 

 

名作小説を無料で読める青空文庫を知ってほしい

太宰治や宮沢賢治、夏目漱石と言った文豪たちの名前は誰でも聞いたことがあるだろう。

 

とはいえ、実際に彼らの作品を読んだことがあるかと聞かれると多くの人はNOと答えるだろう。何を隠そうこの僕もそうだ。

 

しかし、これから社会人になるというのに文豪たちの有名な作品を読んだこともないというのは、どうも恥ずかしというか、情けないような気もしてくる。

 

そんなわけで卒業までの期間で少しずつでも読み進めていこうと思っているのだが、貧乏学生の僕はそう何冊も本を買うのは厳しい。

 

そこで太宰や漱石の本を無料で読む方法はないかと調べていたら、驚いたことにそのほとんどの作品が無料で読めることが分かった。

 

単刀直入にいえばそれが今回ご紹介する「青空文庫」だ。

 

青空文庫とは、著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品のテキストをオンラインで公開している電子図書館だ。

 

明治期から昭和期の作品が大部分を占めており、小説や詩歌、随筆と言った文学だけでなく、回想録や人物伝、論文まで幅広く収録されている。

 

説明はこの辺りにして実際に見てほしい。

www.aozora.gr.jp

作家の名前や作品の名前を50音で検索することができ、読みたい作品が見つかればダウンロードして閲覧することができる。

 

しかし、今回お勧めしたいのは上のリンクのページから検索するのではなく、Amazonとkindleアプリを使って完全無料で手軽に利用する方法だ。

 

まず最初に、Amazonで「青空文庫」と検索する。

すると、次のような画面が出てくる。

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青空文庫と言いながらも特徴となる色は臙脂色じゃないかというツッコミが聞こえてきそうだが、とりあえず宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」一番上にヒットしているのがわかるだろう。

 

その下に青空文庫のものではない「星の王子様」がヒットしているが、これは画面右上にある「絞り込み」という条件選択で「アマゾンおすすめ商品」という条件で検索結果が表示されているためである。

 

ここを「価格の安い順番」に変更すると、

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 このように検索結果が変わる。

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安い順なので、当然0円の作品がずらりと並ぶ。

青空文庫に収録されている総勢839名の作家の作品がこれでヒットするというわけだ。

ちなみに「青空文庫 (作者名)」で検索すれば当然その作者の作品が上位に並ぶ。

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あとはAppストアなどで無料でインストールできるkindleアプリを入手し、Amazonアカウントでログインすれば、画面下部の「ライブラリ」から入手した本を読むことができる。

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とりあえず読みたいものはすべて購入すればいい。なんせ無料だから。

これでいつでもどこでもスマホ一つで名作小説を読むことができる。

 

もちろん電子書籍より紙媒体の方がいい!という方はそちらを利用すればいいと思いますが、紙媒体だと安いものでも400円前後かかると思います。

 

電子書籍によほど抵抗がある方以外は、Amazonで青空文庫を検索してkindleアプリで読むことをお勧めしたいと思います。

 

それではみなさん、読書の秋を存分に楽しみましょう。

『俺か、俺以外か。』ホストの帝王・ローランドの生き方がかっこよすぎた

長い金髪をなびかせ、黒いサングラスをかけるホストを最近よくテレビで見かけないだろうか。

 

現在、間違いなく日本一有名なホストであるローランドだ。

 

ルックスの良さはもちろん、プロ意識の高さや独特のキャラクターで注目を集め、シャンパンタワーや宙を舞う諭吉のイメージが強いホスト業界に新しいイメージをもたらした。

 

酔った状態で接客しないために酒は一滴も飲まず、自分の実力で勝負したいという思いから「売掛け」と呼ばれるつけ払いは絶対させないという、ホストの常識を覆すような営業スタイルにそのプロ意識の高さが現れている。

 

注目を集めるもう一つの理由がその名言だ。

 

「世の中には二種類の男しかいない。俺か、俺以外か」

 

「冴えない男と飲むリシャールより俺と飲む雨水」

 

など、一見するとナルシストにしか聞こえない言葉の数々だが、ローランドのプロ意識の高さや生き様を知ると深みのある言葉に思えてくるのだ。

 

そんな名言の数々をローランド自身が解説したのがこの本だ。

 

この本を読むまではただのナルシストキャラのホストなのかと思っていたが、その言葉の裏に隠されたプロ意識や人生観を知ると、一気にローランドに魅了された。

 

本で紹介されていた名言をいくつか紹介したい。

「世の中には二種類の男しかいない。俺か、俺以外か」

 タイトルにもあるこの名言はローランドの象徴と言ってもいいだろう。

 

彼は幼少期から自分は特別な人間だと感じ、またそうでありたいと願っていたという。

何かに属したり分類されるのが嫌いで、クラスに分けられることすら抵抗があった。

当時は、

 

「この学校には二種類の生徒しかいない、俺か俺以外か」

 

というセリフを頻繁に使っていたという。

 

ローランドも本で述べているように、歴史的な何かを成し遂げるためにはある程度エゴイスティックになる必要があるし、自分は特別であると信じる必要がある。

 

誰にとっても、自分の人生の主役は自分自身である。

それゆえに自分が特別な存在でありたいと願い、夢を描くが、多くの人はその夢に向けて努力をすることができない。

 

特別な存在になるには努力も発想の独創性も勇気も必要だが、その他大勢の人間としていわゆる「レール」の上を歩む方がはるかに楽だから、そちらに流されてしまうのだ。

 

こんな文章を書いている僕も、大学を卒業して大企業の末端社員として働くというごく普通のレールの上を生きようとしていて、それはリスクをとったり周りがしないような苦労をして成功することに憧れを抱く一方で、心の底ではそれが怖いし面倒だからだろう。

 

でもローランドは違う。

 

「きつくても、つらくても、どんな犠牲を払ってでも、唯一無二の『俺』でいたい。」

 

そう言って自分で選択した道で愚直な努力を重ね、成功を収めてきた。

そんなローランドだからこその名言なのだ。

「男としての魅力が一番の鎖だよ」

店側がホストの移籍を阻止するため、あるいはホスト自身が指名客を繋ぎとめるために暴力をちらつかせるというのは、漫画の世界だけの話ではなく実際にあることだという。

 

そして、そうした店やホストがそれなりに売り上げを伸ばすこともある。

しかし、結局のところ恐怖によって部下を縛り付けても、本当の忠誠心や信頼は得られないということは歴史とアニメが証明している。

必ずどこかでゆがみが出てくるからだ。

 

ではどうやってホストや指名客を繋ぎとめるのか。

 

「男としての圧倒的な魅力を見せつけることだ」とローランドは言う。

 

他の店から高額な移籍金のオファーがあっても、他に言い寄ってくるホストがいても、それらをはねのける魅力が自分にあれば人は勝手についてくるのだ。

 

ローランドは「やめたい」と言う従業員を無理やり引き留めたことは一度もないという。

自分よりもいい男がいるなら迷うことなくそっちに行けばいいと。

その一方で、自分が従業員にとって常に魅力的な男でいよう、かっこいい背中を見せようと努力を重ねているのだ。

 

理想の上司すぎる...

 

この、「魅力が一番の鎖である」という話は恋愛や就活において当てはまるだろう。

 

いわゆる非モテコミットをして異性に尽くしたとしても、自分に魅力がなければ相手は振り向いてくれない。

 

内定を出した就活生にオワハラをしても、就職先としての魅力が他社に劣るのであれば内定を辞退されてしまう。

 

そもそも離れていきそうな人を繋ぎとめようという心理自体が、自信のなさ=魅力のなさの表れなのかもしれない。

「売れないときは、堂々と売れ残ってやる」

今を時めくナンバーワンホストのローランドといえど、最初からずっと売れっ子だったわけではない。

 

水商売に限らず営業職でもそうだが、成績のいい時もあればそうじゃないときもある。

 

こういうとき、多くの人は必死になってお客さんに愛想を振りまき、媚びへつらい、どうにか懐に入り込もうとするだろう。

 

成績を出せないということは自分の価値を否定されているのと同じに感じられ、そうまでしたくなるほど辛く耐えがたいことだからだ。

 

しかし、ローランドは違う。

 

「そんな時、俺は堂々と売れ残ってやると決めている」と彼は言う。

 

これは決してふてくされているわけでもなく、努力をせずふんぞりかえっているわけでもない。

どんな時でも最大限の努力を惜しまないが、決して自分を値下げするようなことはしないということだ。

 

余裕の無さを前面にさらけ出して来店をねだったり、商品を買ってもらえるように泣きつくような営業は自分をセール品扱いしているのと同じで、美しくないのだ。

 

ロールス・ロイスがプリウスより売れているわけではないように、ドンペリがほろ酔いより売れているわけではないように、

 

価値のあるものが一番売れているとは限らないのだ。

 

「売れなかろうと堂々とショーウィンドウの中に佇んでいるからこそ、ロールス・ロイスはロールス・ロイスなのだ」

「売れないんじゃない、みんなが買えないだけだ!」

さすがに普通の人がここまで開き直るのは無理かもしれないが、自分を安売りしないというのは仕事以外の面でも重要に思える。

 

日本では「謙遜」は美徳の一つとされているが、結局のところ謙遜とは失敗したときのための保険、言い訳でしかない。

 

「自分にはこれだけの価値があるんだ!」と自信を持って言えないからこそ、謙遜や自虐に走って自分を安売りしてしまう。

 

ローランドが自信を持っているのは、日々の努力を欠かさないからだ。

その積み重ねこそが結果が出ないときでも揺るがない自信を生み出しているのだと分かった。

 

僕も日々やるべきことに向き合い、自信をもって生きていきたいとこの本を読んで改めて実感した。

 

ローランドの名言はまだまだありますが、残りはこの本を手に取って、ローランドワールドを楽しみながら読んでほしいと思います。

kindle unlimitedで無料で読めるのでぜひチェックしてみてください。

 

『山月記』のストーリーをわかりやすく現代風にしてみた

伊調秀一という優秀な男がいた。

 

地方の進学校を卒業後、現役で東大法学部に進んだ彼は音楽サークルに入った。

そこで組んだバンドでボーカルとして活躍し、YouTubeに上げた動画の再生回数が10万を超えたこともあった。

 

ルックスはとても爽やかでキャンパス内のちょっとした有名人であり、大学のミスターコンテストにもノミネートされるほどだった。

 

 

頭脳も優秀だった。

 

彼は音楽中心の生活を送っていたためそれほど勉強しなかったにもかかわらず、国家公務員の試験に合格して大学卒業後は都内で働き始めた。

 

しかし、採用された省庁は伊調の希望したところではなく、仕事もまったく面白さを感じないものだった。

頑固で協調性が低く、おまけにプライドも高い彼にとって公務員の仕事は苦痛でしかなかった。

 

 

ある時、大学の同級生たちと久しぶりに会う機会があった。

 

大手広告代理店やテレビ局、コンサルやITなど、各業界を代表する名だたる大企業や外資系企業でバリバリ働いている人がほとんどで、中にはすでに独立して自分の会社を立ち上げている者もいた。

 

伊調は、友人たちが刺激に満ちた面白い仕事をしていそうなことを羨ましく思い、また、彼らの年収が公務員の自分よりはるかに高かいことも羨ましかった。

 

伊調は彼らの近況を聞いて、自分の人生はこのままでいいのだろうかと思った。

 

毎日満員電車に乗って通勤し、ぱっとしない上司に頭を下げながらつまらない仕事をし、夜遅くに帰る。おまけに同じ大学を卒業した同級生たちよりはるかに給料は安い。

 

プライドの高い伊調にとって、この現実は受け入れがたいものだった。

 

俺はこんなもんじゃない。

 

俺は100年後にも名前が残るような人生を送りたいんだ。

 

考えた末に、大学時代にそれなりの実績を残せた音楽の世界に戻ることを決意した。

公務員の仕事はもちろんやめた。

大学を卒業して3年も経たない頃のことだった。

 

 

公務員をやめて再び音楽の世界に戻ったものの、結果は全くでなかった。

 

新しく組んだバンドで路上ライブに励み、毎日何時間も歌い続けたが、月収は公務員時代の半分にも満たなかった。

そんな生活を何年も続けていたが、結婚もせずに30代の半ばを迎えた息子を親も心配していた。

 

バンドを組んでいたメンバーもすでに音楽の世界から離れていて、伊調だけが路上でひたすら歌を歌っていた。

伊調自身、その生活をこれ以上続ける気力は残っておらず、仕方なく地方の公務員の仕事に就くことにした。

 

この頃には自分に音楽の才能はなかったというあきらめの気持ちも強くなっていたのだ。

 

 

しかし、久しぶりに大学や高校の友人たちのSNSをのぞいてみると、大学の同級生たちは年齢にふさわしいそれなりのポストについていたし、伊調が大学時代にFラン大学と見下していた大学に進んだ高校の友人たちも、すでに結婚して子育てと仕事で充実した生活を送っていた。

 

もちろん、再就職先ではかつて自分が低学歴とバカにしていた人たちが伊調より上の立場で仕事をしていた。

 

プライドの高い伊調はもちろんこの状況に不満を抱いた。

 

「なんでこの俺がこんな奴らの下で働かなきゃいけないんだ」

「俺はあいつらよりはるかに優秀だったんだぞ」 

 

伊調は全く仕事にやりがいを感じず、不満、嫉妬、後悔の念だけが心を埋めていった。

 

 

そしてある日、彼は発狂した。

 

出張先のホテルのロビーで突然叫びだしたかと思うと、カバンを床にたたきつけてホテルを飛び出し、どこかへ走り去っていった。

 

その後、伊調がホテルに戻ることも、職場に姿を現すこともなかった。

 

 

 

それから1年が過ぎたころだった。

 

厚生労働省に勤める遠藤平次という男が駅のホームに立っていた。

仕事でとある企業の重役と面会する予定があり、職場の最寄り駅から出発しようというところだった。

電車に乗り込むと、夕方より少し早い時間帯の車内は空席が多く、すぐに座ることができた。

 

面会に向けた準備のために資料に目を通していると、中年男性と思われる大きな声が聞こえた。

男はドアの近くのつり革につかまりながら、富裕層の税負担が軽いだとか、議員の給料が高すぎるとか、経済が停滞しているのは安倍政権のせいだとか、政治や社会への不満を大きな独り言でまくし立てていた。

 

遠藤は、この男がツイッターで話題になっている「アベ政治を許さないおじさん」なのだろうと思った。

 

肥満体系で、不健康そうな肌の色で、頭は小汚い禿げ方をしている強烈なインパクトの男が電車内で政治への不満をぶつぶつとつぶやく動画が出回っており、遠藤もその動画をみたことがあったのだ。

 

(まじか、、、こんなのと遭遇するなんて運が悪すぎる、、、)

 

遠藤の目的地の駅まではまだ10分ほど残っていたため静かな車両に移ることも考えたが、膝の上に書類を広げてしまっていたため、面倒になりそのまま無視してやり過ごすことにした。

 

しかし、中年男の独り言は止まらない。

遠藤が書類をチェックしている間もぶつぶつとなにかをつぶやき、時々感情が高ぶるのか、大きな声になることがあった。

 

嫌でも耳に入ってくるその声に、遠藤は聞き覚えがあることに気が付いた。

中年男の顔をよく見て、その声を集中して聞く。

 

間違いない、男は遠藤の大学時代の友人で、就職先まで同じだった男。

 

伊調秀一だ。

 

かつてキャンパス内で知らない人の方が少なかったほどのイケメンは、その面影をほとんど残さないほど顔も体もだらしなくたるみ、頭は清潔感のかけらもない、「散らかった」という表現がふさわしい禿げ頭で、眼だけが異様にギラギラしていた。

 

しかし、この声はまさしく、伊調秀一だった。

 

大学時代、一緒に授業を受け、週末には伊調がボーカルを務めるバンドのライブをよく聴きに行っていた遠藤が間違えるはずもなかった。

 

「伊調なのか、、、?」

 

遠藤は膝の上に広げた書類をカバンにしまって席を立ち、男に近づいて声をかけた。

すると男ははっとしたかの様に独り言をやめて遠藤の顔を見た。

 

「遠藤、、、」

 

遠藤は伊調にとって、国家公務員だったころの唯一と言ってもいい友達だった。

頑固でプライドの高い伊調にとって、穏やかで争わない性格の遠藤は相性が良かったのだ。

 

遠藤は伊調が失踪した話は聞いていたが、当然近況は知らなかった。

こんなにも見た目がだらしなくなり、電車の中で大きな独り言を言うような「やばい奴」になっているとは、夢にも思わなかった。

 

もちろん、どうしてそうなったのかなどと伊調に正面からは聞けない。

 

「今まで、どうしてたんだ、、、?」

 

ようやくでた言葉だった。

しばらくの沈黙の後、遠藤は語りだした。

 

「遠藤、俺は自分の才能を磨くこともせずに、他の人と違って自分は特別なんだと思い違いをしていた。

そして普通とは違う人生を歩みたいと思って音楽の道に戻ったが、実力が認められないのは聴く側の能力が低いから自分の歌の良さがわからないのだと思っていた。

 

 自分の歌の能力が低いから評価されないとは考えず、能力を磨くことをしなかった。

そうして何年も経つ間に、自分より才能がないと思っていたやつらが努力して実力を伸ばして、事務所に所属したりテレビに出たりするのを何度も見てきた。

 

でも、それでも俺は努力をする事はなく、そいつらのことをただ運がいいやつらとしか思っていなかった。

 

公務員の仕事に戻ってからもそうだった。

大学時代にバカだ低学歴だと見下していたやつらも、仕事で努力を積み重ねて俺よりはるかに先に進んでいた。

俺は何一つ進めることができなかった。

それもこれもすべて、自分の無駄なプライドや頑固さのせいだった。

 

悔しくて、悔しくて、やり直したい、、、」

 

遠藤は、大学を卒業してからの伊調をほとんど知らない。

最初の2,3年は同じ職場で働いてはいたが、人付き合いを好まない伊調が飲み会の場に顔を出すことはほとんどなく、二人で食事に行くことも時間と共に少なくなっていったからだ。

国家公務員だったころの伊調も、音楽の世界にいたころの伊調も、きっと身の丈に合わないプライドが自分自身の首を絞めていき、今の伊調を作ったのだろう。

 

遠藤はそう思いながらも、

「今からだってやり直せるさ。仕事は何をしてるんだ?どこに住んでいるんだ?」

と話を続けようとした。

しかし、伊調から答えが返ってくることはなかった。

 伊調は窓の外を見つめながら、また政治や社会への不満をぶつぶつとつぶやいていた。

遠藤のことが目に入らず、その声も聞こえていないかのようだった。

 

遠藤はしばらく声をかけていたが、伊調の独り言がまた大きくなり、周囲の目が自分にも向いていることを感じると、少し離れた席に座った。

 

 

目的の駅にはすぐに着いた。

席を立ち、電車を降りる直前にも伊調に声をかけて連絡先を聞いたが、伊調は独り言を続けるだけだった。

 

社会に対する不満のつぶやきを背に浴びながら、遠藤は電車を降りていった。